介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

介護施設に向けた厚生労働省からのクラスター対策についての通知とは?

2021.01.21
分類:リスク

介護施設でも、新型コロナウイルス感染症拡大による予防は十分行っていることでしょう。感染すれば重症化するリスクが高い高齢者が多く生活する場所だからこそ、クラスター対策は強化しておくべきといえます。

厚生労働省でも、「何かおかしい…」と感じたら報告をするように介護施設に通知を行い、早期にクラスターを発見できる取り組みを行っています。

クラスター対策の通知内容とは?

厚生労働省から介護施設に対し、クラスター対策で通知が行われたのは20201120日です。

普段とは何か違うという状況に気がついたときには、まず報告することが重要としており、介護現場の関係者に対し改めて周知して欲しいポイントなども通知しています。

その内容は主に3つで、

・管理者が中心となって日々の検温や食事のときの体調確認などを行い、日頃から利用者の健康状態や変化の有無などに気を配ること

・管理者は日頃から職員の健康管理に留意し、職員が体調不良を申し出やすい職場環境作りに努めること

・感染が疑われる人がいる場合や、体調不良を訴える職員が増えた場合など、何かおかしいと感じたときには医療機関や受診・相談センター、保健所、指定権者などに速やかに報告すること

ということです。

 

自治体にもクラスター対策への指摘

もちろん介護施設だけでなく、自治体に向けても介護現場の気付きや報告などを積極的に収集し、リスク評価や早期介入で未然にクラスターを未然に防ぐことが大切と指摘しています。

各都道府県には新型コロナ対策協議会も設置されているため、活用しながら現場から報告を適切に受けることができる体制と、報告された情報を共有できる体制を構築することが求められます。

 

適切なクラスター対策を

厚生労働省がクラスター対策として行った介護施設や自治体への通知は、専門家で組織する政府の分科会による緊急提言を踏まえたものとなっています。

緊急提言には、クラスター探知には原因が明らかでないものの普段と何か違う状況が起きたときに探知する仕組みが必要とされており、この異常事象検知サーベイランスは国際的にもEBSとして推奨されています。

EBSとは対応するべき健康リスクを、早期の段階で検知することを目的に行う公衆衛生監視活動のことで、様々な情報源を活用することです。

法律に基づいた報告だけでなく、SNSや報道、メディア、医療関係者や担当者からの気付きなど、いろいろな情報源を幅広く活用することを特徴としています。

新型コロナウイルス感染症拡大により、厚生労働省も介護報酬の特例的な取り扱いを講じてきました。再び感染拡大の懸念が強まっている状況のため、さらに補正予算事業も活用しながらクラスター対策が強化されることが急務となっているといえるでしょう。