介護施設など、介護現場で発生する事故などは、施設利用者に危険を及ぼすだけでなく介護スタッフにとっても様々なリスクとなります。
利用者がケガをしてしまったことで家族に責められ、精神的な外傷を受けたり訴訟問題に発展したりなども考えられますし、ときには利用者の暴言や暴力などで耐え切れなくなり心に傷を負ったまま辞めてしまう介護スタッフも出てくる可能性があります。
このような状況にならないため、介護施設では介護のリスクマネジメントをしっかりと行うことが必要といえるでしょう。
そもそもリスクマネジメントとは、未然に事故やトラブルを防ぎ被害を最小限に抑えるための予測と準備を指しています。
介護施設でも起こりがちな事故を洗い出し、その原因を分析して発生する状況を予測しつつ、起きてしまわない準備を行っておくことが必要といえるでしょう。
ただ介護現場では100%事故を防ぐことができるとは限らないため、万一事故が起きてしまったときの対応まで考えておくことが求められます。
介護現場で起きてしまう事故やトラブルは、それにより利用者の生命や健康を危険にさらすことになる可能性があります。
仮に利用者が転倒し骨折してしまえば、寝たきりとなり認知症が進行してしまう可能性もありますし、自らが動こうとしなくなる可能性も出てくるでしょう。
また、介護事故で訴訟が起きてしまえば、介護事業所が倒産に追い込まれるリスクも高くなりますし、そもそも地域での信頼は失われることとなるでしょう。
リスクマネジメントは不足する介護人材を確保する点でも重要です。
実際、介護現場で働くスタッフの9割以上が、利用者から何らかの暴言・暴力を受けたことがあると回答しているほど日々日常的な問題となっています。
中には金銭目的で理不尽な要求をするようなモンスター家族なども存在するため、介護スタッフを守ることも介護事業所側の大切な役割と認識しておくべきです。
放置していれば不安や不満がたまった介護スタッフのモチベーションを下げ、施設全体の士気も低下させることとなり、離職率を高めることになると考えられます。
これらを踏まえても、介護施設で適切なリスクマネジメントを行うことは重要といえます。