介護施設は身体を自由に動かすことができない高齢者や、認知症の方などが利用しているため、どれだけ介護スタッフが注意していても事故が起きてしまうことがあります。
もちろん介護現場では事故が起きないように、日常からヒヤリハット事例などを洗い出し、事故防止の取り組みや対策を行うことが必要です。
しかし完璧に避けることができず事故が起きてしまい、利用者やその家族から損害賠償請求されてしまわないように、介護施設側としてどのように対応すればよいのかご説明します。
介護施設など、現場では実際にどのような事故が起きているのかまず確認しておきましょう。
介護事業所やサービスによって、発生する事故には次のような特徴があるようです。
訪問サービスでは、訪問先で物が破損したり紛失したりといったことに伴う事故が発生しがちです。その中には利用者が勘違いし、訪問したスタッフが盗んだのでは?と誤解を招いてしまったケースもあるため注意しましょう。
他にも利用者が骨折するといったケガや、食事中の誤嚥・誤飲などの事故も起きています。
通所サービスでは、主に利用者が転落・転倒などでケガを負う事故が多数あります。
入所サービスも、ベッドからの転倒や転落などにより、ケガを負う事故が多数あります。
また、紛失トラブルなどもあるため、有料老人ホームなどでスタッフがモノを盗んだと疑いを掛けられるケースもあるため注意が必要です。
居宅介護支援サービスでは、ケアプランの作成ミスによるトラブルが多いようです。
リハビリ回数制限や時間単位にミスがあったり、そもそも住所や給付制限、ケア認定期間などが間違っていたりなど、注意が必要となります。
もし介護施設や介護事業所などで事故が起きてしまったとき、慌てず適切な対処が求められますが、次のように対応を進めるようにしてください。
もし利用者がケガをしてしまったときには、すぐに応急処置をした上で必要に応じ医療機関に運ぶことが必要です。介護スタッフに過失があれば業務上過失致死傷となる可能性もあるため、警察に通報する必要も出てくるでしょう。
もし介護施設など介護事業所で事故が起きたときには、市町村など自治体への報告が必要となるため、事故に関する報告書を作成し届出てください。
居宅サービスの場合は、居宅介護支援事業所に届出を行うことも必要となります。
当然利用者の家族にも報告が必要ですが、情報提供を遅らせてしまうと後ろめたいことを隠しているのでは?といった不信感を与えがちです。できるだけ早めに一報を入れるようにしましょう。
サービス提供中に事故が起きてしまったことで心配をかけたことについて謝罪し、誠意を示すことも大切です。