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介護事業者に加入が義務付けられている保険とは?

2021.04.24
分類:リスク

介護事業者は、利用者に介護サービスを提供しているときに事故が起きてしまい、ケガなどを負わせてしまうなど不慮の事態に備え介護事業向けの補償制度を利用しましょう。

介護事業者向け補償制度として挙げられるのが「介護事業者賠償責任補償」です。

介護事業者賠償責任補償とは?

介護事業者様が、業務中に誤って他人の身体を傷つけてしまったときや、他人の物を壊してしまったとき、他にもケアプランの作成ミスで利用者に過剰な経済的負担をさせてしまったなどを理由に、法律上の損害賠償責任を負担することが必要になったときの備えとして活用できるのが介護事業者賠償責任補償です。

加入対象となるのは、介護保険法等に基づく介護関係業務を行う事業者です。

 

介護事業者賠償責任補償の特徴

公的介護保険の指定事業者に義務付けられている補償制度であり、介護サービスを提供することを業務とする事業者に雇用されている労働者が安心して働く上でも必要な制度といえます。

支払う保険料は人数ベースで分かりやすく、年1回の役職員人数の申請だけなので手続きも簡素化されていることが特徴です。

また、負担した保険料はすべて損金算入できます。

 

介護サービス提供の際に想定される事故の例

たとえば施設内で起きる事故で想定されるのは、高齢者を介助し椅子に座らせようとしたときに、手を放した瞬間転倒してしまい利用者が骨折してしまうといった事故などです。

他にも食材を細かく仕切らず食事提供を行い、利用者がのどに詰まらせ救急搬送されてしまう事故や、利用者宅を清掃しているときにテレビを誤って落とし割ってしまったというケースなども起きないとはいえません。

これらの事故が起きても介護事業者賠償責任補償で補償されますし、ケアプランの作成ミスで限度額を超え、利用者が全額自己負担することになったという場合にも補償されます。

 

介護事業者賠償責任補償で補償される損害

介護事業者賠償責任補償では、被保険者が負担する次の損害に対し保険金が支払われます。

①法律上の損害賠償金

②争訟費用

③緊急措置費用

④損害防止軽減費用

⑤協力費用

⑥初期対応費用

⑦訴訟対応費用

要介護認定を受けている高齢者が利用する介護サービス提供の際には、様々な事故リスクがつきまといますので、必要なときには補償制度があると安心です。

ただし補償されるからと安易に考えるのではなく、それぞれが事故を起こさないように意識を高く持つことも必要といえます。