「もしも自分の親が入居している介護施設で新型コロナウイルスなど感染症のクラスターが発生したら…」、そのような入居者やその家族の不安にも、介護事業者は対応していかなければなりません。
コロナ禍の中で介護施設を信頼し、安心して入居者を任せてくれている家族の不安を解消するために、介護事業者は何を家族に伝えればよいのでしょう。
日本だけでなく、世界的にいつ収束するのか先の見通しもつかない新型コロナウイルス感染拡大の影響。
この先どうなるかわからないといった不安な状況の中で、介護施設で生活する親と離れて生活する家族にとっては、つい悲観的な考えや不安が巡ってしまうのも無理ありません。
しかしそのような状態は、精神的にも大きな負担を強いるものであり、抑うつ傾向のリスクを高めてしまいます。
感染リスクをゼロにすることはできませんが、クラスターなど発生させないための対策を徹底して行い、介護現場のことは介護のプロに任せてもらい状況を受け入れてもらうことが必要となるでしょう。
自分ではコントロールできないことがあることを認め、現実的に思考を持つことが必要です。
精神的に追い詰められてしまう要因として、自らがコントロールできないことをコントロールしようとすることが挙げられます。
新型コロナウイルス感染拡大はいつ収束するかわからないなど、予測不可能な状況が続いてしまうため、先行きが見えない中で不安がつのるのは当然と受け止めるべきです。
手探りの状態で対策を講じる中、問題解決力ではなく対応力が必要であり、介護福祉の専門職も緊迫した状況で押しつぶされそうな責任感にいることを理解してもらうべきでしょう。
不安な状況の中で、介護を行っているのは介護施設で働く方だけではなく、自宅で家族の介護をしている方も同じです。
今、具体的にできることは何か考え、自分で自分を追いつめてしまう力を緩めていくようにしてください。
今何ができるかを考えるために、まずは介護を行う方がベストなコンディションを取り戻すことが必要です。自由に出かけたり気晴らしに旅行にいったりできる状況ではありませんが、ストレスを解消できる環境を作ることも必要となるでしょう。
介護を必要とする方や周囲の方を心配しすぎてしまうと、介護者の休息や心身回復が後回しになってしまうので注意してください。