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介護施設で注意しておきたい高齢者が転倒してけがを負うリスクについて

2019.12.05
分類:リスク
もし転倒してしまったとしても、それが健康で若い方だったなら軽いけが程度で済むのかもしれません。しかしこれが高齢者の場合、ときに大事故や大けがに繋がってしまうことがあるので、介護施設などでも利用者が転倒することのないよう、十分な注意が必要です。

高齢者はけがが治るまで時間がかかるもの

自然治癒力が低下している高齢者の場合、病気やけがになるとなかなか治らず時間が長くかかってしまいます。栄養状態が悪い方などの場合、特に傷口が治りにくく、感染症を起こすこともあるので注意が必要です。

また、過度に安静にしておくことで筋力や身体機能の衰えを招くこととなり、かえって症状を悪化させることもあります。

 

安静にしすぎることも望ましくない?

特に注意したいのは転倒が原因で大腿骨を骨折してしまうことです。歩ける状態に戻るまで時間がかかり、そのまま寝たきりになってしまうことも少なくないのです。

また、けがや骨折などはなかった場合にも、転倒したことで自信を失ってしまい、自力で何か行動することに不安や恐怖心を持つようになってしまうと、何もしたくないと体を動かさなくなってしまいます。

結果、安静を続けていたときと同じように筋力が衰え始め、身体機能は低下していくことになるのです。

たった一度の転倒でも高齢者の生活を大きく変化させることがありますので、対策を取っておくようにしましょう。

 

飲んでいる薬などの影響ではないか確認を

高齢者はちょっとした段差でも足を取られてしまい、転倒することがあります。足を踏み外しやすい玄関や階段、浴室などには手すりを設けるなどバリアフリー対策は講じられているでしょうが、よりスタッフも移動の際に注意することが必要になります。

ただ、利用者本人の筋力や身体機能の低下以外に、薬の副作用や眠気、意欲が減退していることで、本来ならそれほど転倒するリスクが高くない高齢者の場合でも転んでしまう可能性は考えられます。

複数の薬を飲んでいる場合や、体調の変化などあまり口に出したがらない方の場合、副作用など出ていないか確認しましょう。

 

無理のない適度な運動をレクレーションに取り入れる

そして転倒を予防するためにも、介護施設内で筋力と骨を強くするためのバランスよい食事の提供に加え、ウォーキングや散歩、ストレッチなどのレクレーションを行うといったことで、利用者が転倒してしまうことの予防に少しでも繋げることができるはずです。

ただし無理な運動や体操は禁物で、それが原因で転倒や骨折に繋がってしまうこともあると理解しておいてください。