介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

介護現場で高齢者に対する虐待が起きる理由とは?

2022.02.03
分類:リスク

日本は高齢化が進んでおり、介護を必要とする方の人数が増えていますが、それに伴い高齢者に対する虐待問題も深刻化しています。

高齢者に対する虐待は、介護施設だけでなく医療機関や自宅など、様々な介護を行っている現場で起きています。

そこで、なぜ介護を必要とする方に対し、虐待をするといった問題が起きてしまうのか、その内容について説明していきます。

高齢者に対する虐待は増加傾向に

高齢者に対する虐待は年々その件数が増えているようですが、その理由として高齢者自体が増加していること、介護施設数や入所者の数が増えていることが関係しています。

メディアなどが問題として取り上げることも多くなったため、こっそり監視カメラを設置し、虐待の事実がないか確認するケースも増えつつあります。

しかし実際に虐待があってから対処するではなく、虐待が起きる前に何らかの対策を講じることが必要といえるでしょう。

 

そもそも「虐待」とはどのような行為なのか

一般的に「虐待」といわれるのは、次のような行為があったときです。

・身体的虐待…暴力をふるい痛みや苦痛を与える行為

・心理的虐待…暴言や嫌がらせを行って精神的な苦痛を与える行為

・経済的虐待…本人から同意を得ずにその方の財産を管理し経済的な拘束をする行為

・性的虐待…性的ないやがらせや行為を強要する行為

・介護・世話を放棄する…介護が必要であるのにも関わらず放置し、必要な介護サービスなど受けさせないなどの行為

この中でも身体的虐待の場合には、高齢者の体に新しく傷やあざができていることなどで、客観的に虐待の事実を把握しやすいといえます。

しかし心理的虐待の場合、高齢者が抱え込んでしまえば発見がむつかしく、解決まで時間がかかることもあります。

 

介護施設で「虐待」が起きてしまう背景

介護施設で虐待が起きてしまう背景には、施設内の職場環境が悪化していることが関係しています。

介護スタッフの人員が不足していることで、スタッフ一人ひとりの負担が重くなり、想像を超える激務で疲労がたまり、正常な判断ができなくなるといったことも関係しているでしょう。

ストレスを溜め、不満や苛立ちを自分よりも立場の弱い高齢者にぶつけてしまうといったことも考えられます。

不満を抱えているからといって、虐待は決して許される行為ではありませんが、介護事業者も施設内で虐待などが起きないように、事前に対策を取っておくことが必要といえます。