介護現場で起きる事故には、介護職員の不注意などが原因となるだけでなく、利用者本人が関係することや利用者間で起きる場合もあります。
利用者が負ったケガの大きさや治療の有無に関係なく、利用者に実害があったときや実害が及ぶ可能性があったときには介護事故とされることが多いですが、利用者の所有物を紛失・破損させてしまう物損事故も介護事故に含まれます。
そこで、なぜ介護現場で利用者の所有物を紛失・破損させてしまう物損事故は起きるのか、防ぐために必要なことについて説明していきます。
訪問介護サービスでは、人身事故以外にも利用者の家財や持ち物などを破損させてしまう事故も見られます。
物損事故の場合、利用者にケガを負わせることや命の危険を脅かすことはなかったとしても、重大な事故だと捉えるべきです。
利用者の大切な所有物を紛失・破損させてしまえば、単なるクレームにおさまらず、賠償責任が問われることもあるため注意してください。
介護現場は事故が起きやすいですが、特に介護スタッフが注意したいのは次のような場面です。
・ベッドから車椅子に移乗介助しているときの転落
・トイレや浴室までの移動介助中の転倒
・玄関や外出先などの転倒
・立位や座位のときの利用者の尻もちや転倒
・食事中の誤嚥・誤飲
・利用者の状況に応じた食事が提供できていないミス
・口腔内のやけど
・座位の尻もちや転倒
・誤薬
・転倒
・歯磨きや口腔ケアの受傷
・顔・身体の擦り傷や発赤
・方向転換の際の転倒
・座位のときの尻もちや転倒
・認知症の排泄物異食
・衣服着脱の際の転倒・転落
・関節痛・関節損傷
・衣服による擦り傷
・脱衣所で転倒
・浴室内などへ移動の際の転倒
・椅子ごと後方に転倒
・浴槽内で沈でき
・洗体のときの擦り傷
・利用者から利用者へのウイルス感染事故
・介護スタッフから利用者へのウイルス感染事故
・利用者所有物の紛失・破損・水没
・利用者宅の家具・家電・物品などの破損
介護現場は事故が起きやすいだけでなく、その予測を立てにくいケースもあります。
そして利用者の所有物を破損させてしまう事故も起きているため、どのようなときに事故が起きるのか過去の事例やヒヤリハットなどを参考に、未然に予防策を立てておくことが大切です。