一人住まいを続ける親が高齢者の場合、子はいろいろなことに不安を抱え心配になるものです。
しかし近くに頼れる身内もおらず、自身は都心に働きに出たまま家を建てて生活しているなど、実家に帰ることもできないという状況の方も少なくないことでしょう。
少子高齢化や核家族化などを背景に、一人住まいを続ける高齢者は年々増えています。
そこで、他人事として考えるのではなく、介護事業者も一人住まいをする高齢者のリスクや対策について知識を身につけておくようにしてください。
日本は高齢者が増えていますが、一人で暮らす高齢者の数も年々増えています。
内閣府が公表している「令和2年版高齢社会白書」では、65歳以上の一人暮らしは男女ともに増加しているとしています。
今後もさらに増え続け、2040年になると65歳以上の高齢者の4~5人に1人が一人で生活することが予測されるため、そのリスクについて把握しておく必要があるといえるでしょう。
高齢者が一人で生活する背景にはいろいろなことが関係していますが、それによりどのようなリスクが高くなるのか説明します。
一人で生活していた高齢者が部屋で亡くなっていたなど、孤独死の問題も増えています。
亡くなっても誰にも気づかれることなく、助けを呼びたくても体を思うように動かせないなど、同居している家族がいれば避けられたかもしれない事態も一人暮らしでは避けられません。
認知症や介護度が進んでいたとしても、コミュニケーションを取る家族がいないため、細かな変化に気づいてもらえず、気がついたときには認知症や介護度が進んでいるといったケースもあります。
認知症が進行すれば、火の不始末・服薬や金銭の管理などができなくなり、第二のリスクを生むことになるでしょう。
高齢者を狙った悪質な詐欺や犯罪が増えていますが、同居する家族や頼れる存在が身近にいないことで、犯罪に巻き込まれてしまうケースも見られます。
他にも自然災害が起きたときに対応できないことや、食生活の偏りなどの問題なども起きやすくなります。
解決する方法として考えられるのは、
・人と関わる機会をつくる
・家族と同居するか近居する
・介護保険サービスを利用する
・見守りサービスを利用する
・自治体が行う高齢者向けサービスを利用する
などです。いずれにしても検討が必要となるでしょう。