骨粗しょう症になると骨がもろくなりますが、少しの外傷でも背骨が押しつぶされるように変形してしまう「圧迫骨折」を起こすことがあります。
さらに骨の同じ部位に繰り返し小さな力が加わることで、ヒビが入ったり進んだりなど完全な骨折である「疲労骨折」になってしまいます。
特に女性の場合、閉経後には急速に骨密度がさがってしまうため圧迫骨折のリスクが高まりますが、そこから疲労骨折につながらないためにも最初の骨折を予防することが大事です。
そこで、次々に骨折してしまう負の連鎖を防ぐためにも、圧迫骨折が起きてしまう原因や症状などについて理解を深めておきましょう。
骨がもろくなってしまったことで、背骨が押しつぶされてしまうように変形することを「圧迫骨折」といいます。
骨粗しょう症により起きることが多く、特に高齢者には多く見られます。
背骨は、体の重みを支えきれなくなり、つぶれるように折れてしまうことはめずらしいことではありません。
尻もちやくしゃみ、何かを持ち上げたことなどをきっかけとして椎体がつぶれて骨折してしまいます。
背骨は全部で24ありますが、背中部分の胸椎は仮に骨折しても肋骨に支えられているため、折れてもそのため痛みを感じないことがあり、放置してしまいがちです。
しかし気がつかず放置してしまうと、次の骨折を発生させやすくなり、後弯変形や慢性腰痛の原因となりかねず、死亡率を高めてしまいます。
骨粗しょう症の場合、背骨・大腿部・手首などが骨折してしまいやすくなります。
転倒したときや、転んだことをきっかけに尻もちをついたときなど、手首や大腿部を骨折してしまうケースが多く見られます。
骨密度が低ければ骨折頻度が高くなりますが、骨粗しょう症という診断はされない骨量の減少でも、骨折リスクが高まっていることを自覚して予防することが大切です
いつもと異なる腰の痛みを訴えたときには、圧迫骨折も考えられます。
次の症状がみられたときには、専門の医療機関を受診するようにしてください。
・3日以上、腰や背中にいつもと違う痛みがある
・体を動かすと痛みを感じるけれど動かなければそれほど痛みは感じない
・以前より背中が丸くなった
・身長が高かったときよりも2㎝以上低くなった
・胸やけ・胃もたれ・息切れ・食欲不振・便秘などがみられる
・痛みを感じる部分をたたくと痛みが増す
・骨粗しょう症と診断を受けている