介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

介護施設が行うノロウイルスの予防から対応までの方法とは

2020.01.07
分類:リスク

毎年冬になると、嘔吐や下痢などの症状を引き起こすこととなるノロウイルスによる集団感染のリスクが高まります。

現在の流行情報などが介護施設のあるエリアまで届いていないか気になっているかもしれません。このノロウイルスによる感染が拡大することを防ぐには、施設内でスタッフ同士が情報を共有すること、そして万一発生したときに適切な対処が可能となるようにマニュアルなど整備しておくが必要です。

ノロウイルスによる介護施設が抱えるリスク

ノロウイルスは11月から3月まで、主に冬季を中心として流行することの多い感染性胃腸炎の1つです。

症状としては急な腹痛、嘔吐や下痢などですが、免疫力の低い高齢者などは重症化しやすいため注意が必要です。

たとえば嘔吐した物を喉に詰まらせてしまったり、誤嚥性肺炎を引き起こしたりといったことで生命にかかわることもあります。

 

ノロウイルスの感染経路

ノロウイルスは経口感染が基本で、ウイルスに汚染された食品や十分に加熱されていないものなどを口にすることで感染します。

さらにノロウイルスはウイルスの感染力が非常に強く、接触感染してしまうリスクもあるのです。国立感染症研究所の報告によると、このノロウイルスの感染経路の多くが人から人への伝播によるものと疑われるとされているほどです。

 

施設利用者をノロウイルスか守るために必要なこと

ノロウイルスをワクチン接種などで防ぐことができればよいのですが、インフルエンザのような予防接種はありません。

感染した後の治療法も、水分補給と整腸剤投与など対症療法が中心になることから、予防がとても重要です。

介護施設で行うノロウイルス予防法としてはまずは手洗いの徹底です。

1ケア1手洗いを原則に、食事介助前や清掃後に手洗いを必ず行うこと、利用者もトイレの後や外出後には手洗いを徹底することを行いましょう。

 

利用者の家族や施設を出入りする業者に対する注意喚起を

ノロウイルスが介護施設で広がる理由として、スタッフや利用者の家族、外部の業者などがウイルスを持ち込むことがほとんどです。

外部からの訪問者にも手洗いやうがいを徹底してもらい、マスクを着用してもらうなどウイルスの持ち込みを防ぐことが可能となる対応を行ってもらいましょう。

入口や受付付近に感染症に対しての注意喚起を掲示し、施設利用者との面会前には必ず手洗いを実施してもらうようにします。また、食品などを差し入れる際には利用者の家族から一旦は報告してもらうなど、誰がいつ、何を食べたか把握できるようにしておくことが必要です。