日本は世界有数の長寿国といえますが、誰からの助けがなくても問題なく日常生活を送ることのできる健康寿命は、平均寿命より約10年も短いことがわかっています。
多くの高齢者が介護を必要とする状態にあるといえますが、自立した生活を送るためには要介護状態になりやすい持病にならないことが大切です。
そこで、要介護状態を招いてしまう持病の種類と、予防や対処法について説明します。
高齢者が介護を必要とする状態になってしまう持病の種類として挙げられるのは、
・脳卒中
・認知症
・運動器障害(骨折・転倒・関節疾患)
などです。
他にも、
・心臓病
・糖尿病
など、メタボリックシンドロームと関係が深い疾患も注意しておく必要があります。
後遺症が残ったり寝たきり状態になる可能性も高く、症状が深刻化すれば介護負担が大きくなるため、より注意が必要といえるでしょう。
特に注意したい持病は、脳卒中・心臓病・糖尿病ですが、それぞれ発症する原因などについて説明していきます。
脳卒中は命にかかわることの多い病気であり、一命を取り留めたとしても半身麻痺や言語障害など後遺症が残りやすいといえます。
寝たきり状態になってしまうことも少なくないため、要介護になってしまう最大の持病といえるでしょう。
脳卒中を起こす原因として、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病を持病として抱えていることが多いといえます。
喫煙や多量飲酒などは、生活習慣の見直しが必要です。
心臓に起こる病気の総称を「心臓病」といいますが、突然死を起こすこともある危険な病気です。
心臓病として挙げられるのは、虚血性心疾患・冠動脈疾患などで、代表的として挙げられるのが狭心症と心筋梗塞といえます。
血液中を流れるブドウ糖である「血糖」の血中濃度を示すのが「血糖値」ですが、食事をとれば血糖が増えて血糖値は上昇します。
正常な状態であれば、膵臓から分泌されるホルモンである「インスリン」がブドウ糖量を調整しますが、インスリン分泌や働きに異常が見られることで血糖値が高くなってしまいます。
この高血糖状態が慢性的に続くことを「糖尿病」といい、原因により次のタイプに分けられます。
・1型糖尿病
・2型糖尿病
・遺伝子異常
・他の疾患による糖尿病
・妊娠糖尿病
このうち、日本人の糖尿病患者の約9割は、遺伝的要因や生活習慣の積み重ねにより発症する「2型糖尿病」です。
慢性的に血糖値が高い状態が続くと、血管は弾力を失ってもろくなり、血液が詰まりやすくなってしまいます。
介護が必要になるだけでなく、命にかかわることもあるため注意が必要といえます。