在宅療養の現場では、利用者の服薬介助に対する工夫も必要と考えられていますが、医薬品は間違った飲み方で十分な効果を得ることができなくなる可能性があります。
薬を上手に飲むことができず、服薬に苦労しているケースには、どのような対処方法があるのでしょう。
そこで、在宅療養現場で求められる効果的な医薬品の服薬方法などについて説明していきます。
医薬品の中には、砕いてはいけない薬もあることに注意してください。
高齢の方の中には、口周りの筋力が衰え、飲みこむ力も低下しているなどの理由で、口内に飲んだはずの薬が残ってしまうことがあります。
また、のどを詰まらせやすくなることから、服薬介助はプロでも苦労することが少なくありません。
しかし、薬を飲みやすくしようと、砕いたりゼリーやアイスクリームに混ぜたりなどの工夫をしたつもりが、効き目を薄れさせてしまう可能性も考えられます。
単に飲めば効くわけではなく、たとえば丸い錠剤は体内の適切な場所で最大限の効き目が発揮されるような工夫がされています。
ゆっくりと表面から順番に溶けていく加工がしてある錠剤の場合、砕いたり割ったりすると、本来効いてほしい場所では効果がでず、予期せぬ場所で機能してしまい、副作用につながるリスクも高めてしまうでしょう。
特殊なコーティングが施してある錠剤は、砕いてしまうと効果が出ないものもあるため、形状を安易に変えないようにしてください。
錠剤による服薬は困難でも、粉薬なら飲むことができそうという場合には、薬剤師に相談してみましょう。
薬の形状だけでなく、いつどのように服用しているか、服薬の状況もあわせて伝えれば適切なサポートをしてもらえるはずです。
また、介護を必要とする方の場合、高血圧や糖尿病、認知症などの薬を複数服用していることが多いといえます。
1日3回の服薬することは、本人も介護者も負担が大きいため、服薬の回数を減らすなど変更できないか相談してみることも方法の1つです。
大変な思いを抱えながら、無理に薬を飲むことが大切なのではなく、生活の中でどのように薬と折り合いをつけるかが重要と考えましょう。
無理せず正しく薬を飲み続けることができる方法を、本人や家族、薬剤師との相談で検討していくことをおススメします。