医療・介護・福祉機器は、
・疾患の診断・治療が目的の「医療機器」
・要介護者などの日常生活上の便宜を図る「介護福祉機器」
で構成されます。
では、具体的に「医療機器」と「介護・福祉機器」はどのような違いがあるのか、それぞれの特徴を踏まえて説明していきます。
「医療機器」は、人の生命や健康に大きな影響を及ぼすことが特徴であるため、薬機法にその定義がされています。
“医療機器とは、人もしくは動物の疾病の診断、治療もしくは予防に使用されること、または人もしくは動物の身体の構造もしくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等であって、政令で定めるものをいう。”
この定義からわかるように、医療機器の特徴として次の3つが挙げられるでしょう。
・人間か動物に用いられる機器器具であること
・疾病の診断・治療・予防を目的とした機械器具であること
・身体構造・機能に影響を及ぼすことが目的の機械器具であること
また、医療機器の種類として、主に次の2つが挙げられます。
・診断・治療・予防する機械器具(MRI・レーザー治療機器・電子体温計など)
・身体構造または機能に影響を及ぼす機械器具(ペースメーカ・電位治療器・低周波治療器など)
健康器具や運動器具などのトレーニングマシンやフィットネス用具などは、医療機器には含まれないといえます。
「介護福祉機器」は「福祉用具」と呼ばれることもあり、日常生活や機能訓練のサポート機能が備わった用具や機器です。
介護や介助を必要とする方の日常生活を支え、リハビリをサポートできることが特徴であり、たとえば次の4つがなじみの深いものとして挙げられるでしょう。
・車いす
・歩行器
・歩行補助つえ
・手すり
レンタルや購入にかかった費用は介護保険の給付対象となるものもあるため、自己負担する費用を抑えて利用できるケースもあります。
また、福祉用具についても福祉用具法で次のように定義されています。
“「福祉用具」とは、心身の機能が低下し日常生活を営むのに支障のある老人又は心身障害者の日常生活上の便宜を図るための用具及びこれらの者の機能訓練のための用具並びに補装具をいう。”
福祉用具と介護用品は、そもそも使用目的が異なります。
福祉用具は福祉用具法に定義のあるように介護やリハビリが目的ですが、介護用品は生活支援が目的の福祉機器や製品です。