介護事業者が注意しておきたいのは、施設を利用する高齢者のアレルギーなどです。
施設入所の際には、食品のアレルギーなどについて確認することになるでしょうが、食事面での配慮などが必要となります。
アレルギーが原因の症状は様々ですが、高齢者の場合は重篤化しやすいリスクも高いため、長く施設で生活してもらうためにもその危険性を理解しておくようにしましょう。
食物アレルギーとは、アレルギーの原因になる食品などを口にしたとき、消化管からタンパク質などが吸収されて様々な症状を引き起こすことをいいます。
原因となる食品を口にしたときは、皮膚などに次のような症状があらわれます。
・かぶれ
・かゆみ
・蕁麻疹
・むくみ
他にも、次のような症状があらわれることがあるため、より注意が必要です。
・吐き気
・下痢
・呼吸困難
・目や唇の腫れ
症状が発生するまで時間はそれほどかからず、早くて15分以内、遅くても1~2時間以内でしょう。
複数の症状が見られることもありますが、激しいアレルギー症状で血圧低下や意識障がいなどを引き起こせば、アナフィラキシーショックとなり死に至ることもあるため注意してください。
成人までの年齢で、アレルギー反応が出やすい食品として次の種類が挙げられます。
・牛乳
・卵
・小麦
・魚類
・エビ
・そば
・果物
・大豆
・ピーナッツ
加工食品などにこれらの食品が含まれていると、気がつかない間にアレルギーを発症することがあります。
アレルギー物質を含む食品は表示するように義務化されているため、スーパーなどで食べ物を購入するときには必ず食品表示を確認し、アレルギーを発症してしまう食品が含まれていないか確認するようにしましょう。
高齢者のアレルギーで、特に注意したいのが「喘息」です。
咳・痰・喘鳴・息が苦しさなどの症状が一般的ですが、発作がひどくなれば呼吸困難に陥ることもあります。
最悪の場合、命にかかわることもあるため、いつものアレルギーと軽く考えないことが必要です。
高齢者の喘息は、アレルギーの原因となるアレルゲンが見つからないことも少なくないため、慢性閉塞性肺疾患・心臓病といった他の合併症を発症している場合があります。
合併症により喘息は重症化しやすくなれば、呼吸機能は大きく低下してしまうため、食品に限らず何に対するアレルギーがあるのか確認しておくことが大切です。