在宅介護中の方の中には、仕事と介護を両立しているケースもあり、その負担は身体的なものだけでなく費用面でも大きくのしかかっているといえるでしょう。
そのような場合、介護費用の負担を軽減できる補助金など国の支援を活用できます。
そこで、介護で受け取ることができる補助金などの国の支援制度について紹介していきます。
家族を在宅介護しているときや、家をバリアフリー化するなどリフォーム費用が必要なときには、補助金・助成金制度を活用しましょう。
主に介護費用負担を軽減できる制度として、次の3つが挙げられます。
・介護休業給付
・家族介護慰労金
・居宅介護住宅改修費
それぞれ説明します。
「介護休業給付」とは、雇用保険の被保険者が介護休業をとるときの給付制度で、以下の金額が支給されます。
介護休業給付金額=休業開始時賃金日額×支給日数×67%
要介護者が2週間以上に渡り常時介護を必要とすることなど要件を満たすことが必要ですが、ハローワークに申請することで対象家族1人あたり通算93日を限度とした受け取りが可能となり、3回まで分けて受け取ることも可能です。
「家族介護慰労金」とは、要介護4~5の認定を受けた要介護者を在宅介護している場合の受け取ることのできる慰労金です。
慰労金の要件は複数ありますが、満たすことで年額10万円が支給されます。
要件として、たとえば要介護者が過去1年間で介護保険サービス事業者を利用していないことや、要介護者と介護者が住民税非課税世帯であるといったことが必要になります。
「居宅介護住宅改修費」とは、要介護者の自宅をバリアフリー化する場合に受け取ることができます。
自宅の段差を解消するときや手すりを設置するとき、扉や便器を交換するときなど介護目的の環境整備であれば対象となります。
かかった改修費の7~9割を受け取ることができますが、1回限り上限は20万円までという制限もあることや、要介護認定を受けている要介護者のためのバリアフリーでなければなりません。
制度の方式として、利用者が一旦全額改修費を支払い、その後返還額を償還してもらう「償還払い方式」と、自己負担費用分のみで改修できる「受領委任払い方式」があります。
方式や申請方法は自治体により異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。