介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

介護崩壊という危機が迫った理由とは?新型コロナウイルスによる影響

2023.03.25
分類:その他

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、医療崩壊が問題として取り上げられていますが、介護現場も同様です。

高齢者を守るために感染対策など様々なサービスを提供しながら、事業を継続したのにもかかわらず今、介護崩壊という危機が迫っています。

デイサービスを中心に休業

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、地方都市を中心として病床や医療従事者が不足することになりました。

それにより医療崩壊のリスクが懸念されるようになりましたが、介護現場でもクラスターが発生しやすいデイサービスを中心に休業が相次ぐこととなり、利用者の受け入れ先は減少しました。

それにより、休業に追い込まれる介護事業所も発生し、デイサービス休業による介護崩壊のリスクが高まったともいえます。

デイサービスは当初懸念されていた3密状態を作りやすいため、訪問介護を臨時的に行うなどで対応をするしかなくなりました。

しかしデイサービス利用者には日常生活動作に特に問題なく、運動やレクリエーションを目的とした通所者がいます。

実際に施設に利用者が足を運び、いろいろな職員とコミュニケーションを通じながら、心理的に孤立することなく躁鬱状態を防いでいたともいえるでしょう。

そのためデイサービスを利用してもらうことが難しければ、訪問介護などで対応することも必要と考えられましたが、慢性的なスタッフ不足で対応しきれなかったケースもあるようです。

介護難民を増やす結果になりえる

必要な介護を利用できなければ、介護難民と呼ばれる状態を作ってしまいます。

介護難民が増えることを懸念し、施設内の感染症の拡大に細心の注意を払いながら奮闘している老人ホームも少なくありません。

必要な介護を受けることができない介護難民を1人でも減らすことこそが老人ホームの社会的使命と考えて、利用者本人と介護者の負荷を少しでも下げるため受け入れを続けるケースも見られました。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、人との接触を避けることとなり、リモートワークやオンライン会議などが積極的に導入されるようになったといえます。

しかし人に会わない環境を作ることで、要介護度が重く進行したり孤独をかかえたりという高齢者を増やしてしまうことは避けなければなりません。

現在でも面会など遮断している介護施設も少なくありませんが、状況を把握しつつ適切な対応に切り替えることが望まれます。