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特別養護老人ホームにも推奨されているユニット個室型の介護サービスとは?

2020.03.17
分類:その他

介護施設で働いている方などは、「ユニットケア」という言葉を耳にすることもあります。

ユニットケアとは介護施設の入所者それぞれに対し、尊厳のある個別ケアを目指す介護の手法のことを指しています。

10人程度の少人数が1つのグループとなり、同じメンバーとスタッフで生活を送りケアを受けるといった内容です。

そこで、ユニット個室型のケアとは具体的にどのような介護サービスが提供されるのか、その内容をご説明します。

ユニット個室型のサービスとは?

ユニットケアとは少人数が共同生活を送ることが特徴ですが、ユニット個室型の介護サービスは共有スペースとなるリビングを囲むようにしてそれぞれの居室が配置されています。

自身のプライベート空間を確保しつつ、リビングでは家庭的な雰囲気の中過ごすことができるので、家族と過ごしているような感覚で介護サービスを受けることが可能となるでしょう。

 

以前は集団ケアが常態化されていた

2000年頃までの特別養護老人ホームなどの介護施設では、効率的に介護を行うことが優先されていたため、個別ケアではなく集団ケアが常態化されていました。

しかし介護保険制度が制定されたことにより、入所者のプライバシーや尊厳を守ることが重視されるようになり、特別養護老人ホームでも全室個室のユニットケアが整備されるようになったのです。

 

いつも同じメンバーと生活できる

できるだけ自宅に近い雰囲気や環境の中、介護を受ける入所者それぞれに寄り添う個別ケアを実現するのがユニットケアの特徴です。そのため入所者の部屋は個室であり、ユニットごとに決まったスタッフが介護ケアを行います。

いつも同じ入所者やスタッフが顔を合わせることになるので、安心感や円滑なコミュニケーションが生まれやすく、生活リズムなども安定しやすいことが特徴といえるでしょう。

 

安心感を得て孤独感を和らげることが可能に

現在、特別養護老人ホームではユニットケアが推奨されていますし、認知症の方が利用するグループホームもユニットケアでの介護サービスが提供されます。

さらに介護老人保健施設や有料老人ホームなどでも、手厚い介護サービスを提供できるようにとユニットケアを導入するところが増えてきています。

たとえ部屋は個室でも、いつも同じスタッフがかかわることとなり、リビングから他の入所者などの会話や話し声が聞こえる環境は、一人ではないという安心感を得ることにつながり孤独感を和らげることもできるはずです。

 

ユニットケアが合うか合わないかショートステイで確認も必要

反対に自立心の高い方の場合は、ユニットケアのような常に人とかかわるケアを好まず、希薄な人間関係を好む場合もありますので、ユニットケアが介護サービスを利用する方にとって負担にならないかショートステイなどを利用して確認してもらうほうがよいかもしれません。