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介護施設で注意したい感染症リスクとは?注意が必要な種類を紹介

2024.06.19
分類:その他

介護施設は、免疫力や体力が低下した高齢者が多く利用します。

 そのため集団感染が懸念される感染症には注意が必要といえますが、新型コロナウイルス感染症が落ち着いた今、どのような感染症によるクラスターを予防すればよいのでしょう。

 主に空気が乾燥する冬場に感染症リスクは高まるといえますが、夏場でもクラスターが発生しないとは言い切れません。

 そこで、介護施設で注意したい感染症リスクについて、注意が必要な種類など紹介していきます。

高齢者の感染症リスク

 高齢者の感染症リスクは高めといえますが、若い世代よりも免疫力が低下しているからです。

 60歳超えの高齢者の免疫機能は、20代の約半分以下ともいわれるほどといわれています。

 免疫を主導する白血球(T細胞)の産出数も少なくなり、細胞の成長を助けるリンパ節や脾臓の機能も衰えます。

 その結果、T細胞が成長しなくなり、病原体への反応も弱いなど活動も低下するため、外から入ったウイルスなどの影響をそのまま受けてしまいます。

  

注意が必要な感染症の種類

 高齢者の注意したいのは、感染したとき菌血症や敗血症になって生命危機に及ぶ恐れの高い以下の感染症です。

 インフルエンザ

ノロウイルス(感染性胃腸炎)

尿路感染症

 

それぞれ説明します。

インフルエンザ

インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することで、38℃以上の高熱・筋肉痛・関節痛・強い倦怠感などの症状があらわれます。

慢性疾患など持病がある方は、インフルエンザになると合併症で肺炎を起こしてしまい、重症化しやすくなります。

 

ノロウイルス感染症(感染性胃腸炎)

ノロウイスル感染症は、感染性胃腸炎と呼ばれる感染症で、ノロウイスルという病原体で発症します。

たとえば貝類の加熱が不十分で、生の状態だったときに感染することが多いといえますが、食器や手に不着したウイルスで周囲が接触感染してしまいます。

主な症状は激しい嘔吐と下痢で、嘔吐物など飛び散ったウイルスを吸い込むことでも感染するなど、感染力はかなり強いため注意が必要です。

 

尿路感染症

尿路感染症は、尿道口から菌が侵入し、残尿感や排尿痛などの症状で気がつく感染症です。

膀胱・尿道・尿管・腎臓など、尿の通り道が感染してしまいますが、高齢者は尿路の防御機能が低下しています。

そのため尿路感染症を起こしやすく、オムツ交換まで時間がかかることで細菌が増殖し、悪化する可能性があるため注意してください。