特別養護老人ホームは、現在ユニットケアが取り入れられており、利用者はそれぞれ個室で普段過ごすことができることが多いといえます。
従来までの特別養護老人ホームは、複数人が1つの部屋で過ごす多床室が当たり前だったといえますが、だんだんと状況は変化しています。
ユニットケアは、介護施設の環境を自宅の生活空間に近づけることで、利用者が安心して日々を過ごし個性をフルに活かすことができる暮らしを確保するためのものです。
そこで、ユニット型個室の介護ケアについて、特徴や魅力、多床室から変わった理由など特別養護老人ホームを例にして紹介していきます。
ユニット型特養は、特別養護老人ホームの新しいタイプで新型特養とも呼ばれている介護サービスです。
10人程度を小人数のグループに分けて、ユニットで介護サービスを提供します。
ユニットには専任の介護職員が配置されており、利用者それぞれに寄り添った個別ケアが提供されます。
共有のリビングで利用者がコミュニケーションを取り、配置されている個室でそれぞれ過ごします。
配置の工夫でプライバシーも守られることになり、他の入居者との交流できるため孤立せずに寂しさも解消されやすいといえるでしょう。
ユニット型個室の特養は、全室個室の間取りとなっており、それぞれの居室が共有リビングを取り囲むような間取りになっています。
新型特養もすべて個室ですが、ユニット型特養なら完全な個室のため、従来型では難しい利用者のプライバシーを確実に保つことができます。
日常の生活を共にするユニット利用者の人数も少ないため、自宅で家族と過ごす感覚で生活を送ることが可能です。
多床室の場合、利用者のプライバシーの確保や尊厳を守る配慮は難しいといえます。
高齢者の尊厳を保つサービス提供の必要性が問題視されていたため、2001年に厚生労働省が特別養護老人ホームに全室個室・ユニットケアを整備することを決め推奨されています。
特養の人員配置基準は、入所者数3人に対し看護職員か介護職員を1人置くこととされていますが、従来型とユニット型のどちらにも適用されます。
そしてユニット型特養であれば、人員配置基準に加えて以下の基準も適用となります。
・昼間は1ユニットごとで常時1人以上の介護職員または看護職員を配置する
・夜間は2ユニットごとに1人以上の介護職員または看護職員を配置する
・それぞれのユニットに常勤のユニットリーダーを配置する