医療法人社団とは、医療法の定めに基づいて設立された法人である医療法人のうち、人の集まりが基盤となって設立される法人です。
医療法人は、病院や、医師・歯科医師が常時勤務する診療所、または介護老人施設の開設を目的に設立されます。
この医療法人を設立するときは、「医療法人社団」と「医療法人財団」の2つの形態から選ぶことになりますが、設立・運営されている医療法人の99%以上は医療法人社団です。
医療法人社団は社団たる医療法人のことといえますが、どのような法人なのか、医療法人や医療法人財団との違いを紹介します。
医療法人は、病院や、医師・歯科医師の常時勤務する診療所、介護老人保健施設・介護医療院を開設する社団または財団の法人です。
医療法内に定義される社団または財団は区分であるため、医療法人社団は医療法人の中の区分の1つといえます。
医療法人社団と医療法人財団の違いは、以下のとおりです。
設立における基盤
設立で必要な人数
既存の医療法人での占める割合
それぞれ説明します。
まず医療法人社団は、人の集まりが基盤となり設立される法人です。
もう一方の医療法人財団は、財産を基盤として設立します。
医療法人社団は、金銭・不動産・医療機器などの出資または拠出や、2か月以上の運転資金が必要です。
医療法人財団は寄付で集められた資金や財産で運営されるため、資金源などにも違いがあるといえます。
医療法人社団は株式会社と似た仕組みであり、基金を拠出する社員総会と、法人を運営する理事会、さらに監視役である監事で構成されます。
医療法人の社員とは、一般的な従業員ではなく、株主に近い役割の立場の人で理事が兼ねることもできます。
理事が社員を兼務するのでれば、3名の理事のうち、1名は理事長となり、監事は1名必要です。
医療法人財団の場合は、寄付を受けた財産を管理する評議員会と、法人を運営する理事会、さらに監視係の監事で構成されます。
評議員4名と医療法人運営の理事3名、監事1名で設立できる法人です。
ただし医療法人社団の社員と異なり、医療法人財団の評議員と役員の兼務はできないため、それぞれ別の人が務めることになり、設立においては最低でも8名必要です。
現在の医療法人は、ほとんどが医療法人社団で、医療法人財団は割合にすると0.6%しか存在していません。