仮想通貨とは暗号資産とも呼ばれており、インターネット上でやり取りを行う電子データであり、通貨に似た機能を持ちます。
紙幣や貨幣などの実体があるわけではなく、法定通貨や電子マネーとも異なります。
あくまでも仮想による通貨といえますが、介護施設のみで使用されることのある施設内通貨にも似ています。
施設内通貨とは、介護施設利用者が施設内だけで使える通貨で、名称・単位・増やす方法・使い方などは施設により異なります。
そこで、介護施設だけで使える施設内通貨について、仮想通貨に似た取り組みの事例を紹介します。
介護施設の「施設内通貨」とは、デイポイントと呼ばれる特定の施設でのみ使用できる仕組みです。
日常の行動によりポイントが貯まり、施設内通貨に交換して貯めたり使ったりできます。
たとえば施設で手伝いをしたときや、リハビリで一定目標まで到達したとき、レクレーションやイベントで表彰されたときなどの報酬として受け取りができ、施設内のレジャーや嗜好品に使うことを可能とする仕組みです。
他にもデイポイントを増やす方法として、以下の例が挙げられます。
・食器を下げる
・施設の草取りをする
・洗濯ものを干す
・ラジオ体操に参加する
・手芸作品を作る
施設内通貨に交換された後は、月1度の施設内の買い物で使える仕組みにすれば、貯まる喜びと使う楽しみのどちらも提供できます。
施設内通貨を導入するメリットは、利用者が生活に意欲を持てることです。
できることは自分でするという意識が高まれば、脳を刺激し認知症予防にもつながることが期待できます。
また、リハビリが必要な利用者も、取り組む意欲を高めることができるでしょう。
施設内通貨の枚数を数える行為も手の機能訓練になり、計算することで頭の体操もできます。
手元に自由に使える施設内通貨が増えることが刺激となり、脳の活性化だけでなく、たとえば孫へのプレゼントを購入したいといった目標を持つことも可能となります。
ただ何もなく施設で過ごすのではなく、また、無理に何かさせられるわけでなく、自らの行動を促すことができるため生きがいになることも期待されます。
楽しみながら行っていることが、結果として施設での手伝いや誰かのためになれれば一石二鳥ともいえます。
そのため施設内通貨を導入し、サービスとして提供することはおすすめです。