ずっと都会で生活し、忙しい毎日を過ごしてきた方にとって、老後はゆったりと郊外や地方に移住し豊かな自然環境の中で暮らしたいと考えるものでしょう。
ただ、緑が多く空気もよい生活環境を手にする一方で、都会とは違った生活の不便さを感じるのも事実です。
そこで、もし地方の老人ホームへの入所を検討するときに、都会の介護施設と何が違うのかなどご説明します。
介護施設によって差はあるものの、主に都会と地方の老人ホームでは次のような差があります。
ホームの形状:3階建て以上など中高層が多い
環境:交通手段の選択が多様で買物可能な場所が近くにあるなど利便性が高い
外出:知っている外出先に容易に出向くことが可能
費用:地方に比べて高額
アクティビティ:商業施設で買物や外食を楽しむことが多く、自然に触れる機会は少ない
人間関係:友人や知人などこれまでの人間関係を継続しやすい
ホームの形状:1~2階建てなど低層であることが多い
環境:日常から自然を身近に感じることができる
外出:車での移動が多くなるものの、新たな外出先を発見できる楽しみもある
費用:都会に比べて低額
アクティビティ:介護施設が所有している農園や庭園を活用した趣味活動など自然に触れる活動が多くなる
人間関係:新たな人間関係を構築できる
今都会に暮らしている方が地方の老人ホームなどに移り住む場合、従来とは違った環境で生活することになります。
日々の生活スタイルが一変するため、それを新鮮に感じるのか不便だと感じるかは人それぞれでしょう。
地方の場合、都会とは違って気温の移り変わりや周辺環境などが大きく異なり、生活リズムも変化することが考えられます。
そしてこれまでの人間関係などにも変化が生じることになるので、家族が通いやすい場所にあるのか、食事や慣習の面など戸惑う部分はないか確認しておいたほうがよいでしょう。
距離が遠くなれば、家族や親戚、友人などと面会も難しくなるため、本人だけでなく家族にも理解と協力を得ることができるかがポイントとなるでしょう。
都会も今後は介護施設が不足することが予想されており、地方に移住を検討する方も増える可能性があります。ただ、自然環境に触れたいという理由だけで決めてしまうと、想像していたよりも不便で家族にも会いにくくなることに不満を感じることもあるので、どのような暮らしになるのか事前に想定した上で決めてもらうことが必要です。