介護技術における支持基底面とは、利用者の体重を支える上で必要となる床面積です。
利用者の身体を支えるためには、床と接している身体の範囲が広いほど安定するといえます。
介護者ができるだけ余計な力を入れず安定してケアを行うために必要な知識といえるため、介護技術における支持規定面について、重心との違いや立位と座位を安定させる方法を解説します。
介護技術における支持基底面とは、体重を支えるため、床と接する身体の範囲であり、面積です。
身体の安定性に影響する要素であり、介護や理学療法で活用されます。
介助の姿勢を保ち、安定性を確保するためには、両足を広げて支持基底面を広くすることが必要です。
介助者の身体が安定することで余計な力を入れずに介助ができ、利用者も安心して身を任せることができるでしょう。
支持基底面と重心は異なります。
重心とは、物体のつりあう場所であり、シーソーの支点となる部分です。
人の重心は骨盤の位置にありますが、支持基底面は立っているときに両足で囲まれた面でることが違いといえます。
支持基底面とは、身体を支えている底面であり、たとえば立っている状態では両足の底と間の面積が支持基底面となります。
そこで、以下の2つの支持基底面を説明します。
・立位
・座位
立位の支持基底面は、両足で立位保持の際の両足底およびその間の部分の面積の合計です。
支持基底面は広いほど安定するため、両足を密着させるよりは離した状態のほうが安定性を保てます。
座位の支持基底面は、足底・大腿部の裏面・坐骨でつくる面です。
支持基底面が広く、重心が低いほど安定性を保つことができます。
身体を支える床面積を広くすれば、安定した介助が可能となるでしょう。
支持基底面内の重心線の位置も、安定性に影響を与えることになるため、重心が高ければ安定性は低下し、重心が低ければ安定性は増します。
立っている状態では両足の底とその間を結ぶ部分が支持基底面となるため、杖をつく方は杖と両足を囲んだ面が支持基底面です。
介護職員は、両足を前後左右の対角線上に開き、安定感を向上させられます。
足を開き、膝を曲げて腰を落とせば、安全で安定した介助の姿勢を保つことができます。