小規模多機能型居宅介護は、利用者が自立した日常生活を送るために、施設へ通いながら宿泊や訪問を組み合わせ、生活上の支援や機能訓練を利用できるサービスです。
利用者の身体状況が変わったときでも、柔軟なサービス設計を可能にすることが小規模多機能型居宅介護の特徴といえます。
そこで、小規模多機能型居宅介護について、対象者やメリット・デメリットを簡単に紹介します。
小規模多機能型居宅介護とは、デイサービスを中心とした訪問介護やショートステイなどの組み合わせで、在宅での生活支援や機能訓練を行うサービスです。
介護保険制度で創設された地域密着型サービスのひとつといえます。
通所型のデイサービスをメインに運営する介護事業者が、訪問(ホームヘルプ)や短期宿泊(ショートステイ)も一体的に提供します。
従来までの介護サービスは、利用者や家族の状況に合った通所・訪問・宿泊などを選択し、必要なサービスをそれぞれ契約しなければなりませんでした。
しかし、利用者の状態は変化するため、そのたびに利用するサービスを変えると、新たに事業所を探すことが必要となります。
また、新しく利用する介護事業所の職員とのコミュニケーションも必要であり、これまでの事業所でお世話になったスタッフや他の利用者と離れることに不安を感じることも少なくありません。
このような負担や不安を解消してくれるのが小規模多機能型居宅介護であり、柔軟なサービス設計を可能にとします。
小規模多機能型居宅介護の対象者は、要支援1以上の要介護認定を受けている方です。
また、地域密着型サービスであるため、事業所と同じ市区町村に住まいがある方(住民票がある方)のみ利用できます。
小規模多機能型居宅介護のメリットとして、以下が挙げられます。
・通所・訪問・宿泊のサービスをひとつの事業所と契約できる
・月額定額制でも柔軟にサービスを組み合わせることができる
・区分支給限度基準額を気にせず自由にサービスを利用できる
顔見知りのスタッフからすべてのサービスを利用できるため、環境変化が苦手な方でも安心です。
小規模多機能型居宅介護は多くのメリットがある一方で、いくつかデメリットもあるため注意が必要です。
たとえば、宿泊サービスのみ別事業所の利用など、部分的に他事業所への変更はできません。
それまで利用していた介護保険サービスの一部の併用もできないため、注意してください。