
自立支援介護とは、介護を必要とする高齢者が、可能な限り本人の力で生活するためのケアです。
介護を必要とする方に対し、生活動作をすべて介助で助けてしまうことや、本人ができる家事援助まで行うことは自立支援介護とは言えません。
利用者の残された能力を最大限に生かし、自立した生活を送ることができるように、専門知識と技術を持った介護者が要介護状態の改善または悪化防止を目指していきます。
そこで、自立支援介護について、目的と提供される4つのケアを簡単に紹介します。
自立支援介護は、介護ケアをサービスとして提供するだけでなく、利用者の生活の質向上を目指し、家族の負担軽減や介護・医療費の削減につながる支援を行います。
そのため、自立支援介護の目的は次の3つといえます。
①要介護状態の軽減と悪化を防ぐ…身体機能や認知機能の低下を防いで、可能な限り自立した生活が維持できる支援を行う
②利用者の潜在能力を発揮させる…利用者が自分でできることを見つけ、意欲を引き出して最大限に活かせる支援を行う
③住み慣れた地域で生活する…利用者が快適な環境である住み慣れた地域で安心して生活するための支援を行う
自立支援介護では、次の4つのケアを基本とします。
・水分摂取
・栄養摂取
・自然排便
・運動
それぞれ説明します。
自立支援介護では、身体機能を維持するための十分な水分摂取が欠かせません。
高齢者の場合、1~2%の水分が不足しているだけで、やる気を失ったり眠気を感じたりといった症状をあらわします。
そのため、最低1日1500mlの水分補給を行うことが必要です。
自立支援介護では、栄養摂取も欠かせません。
必要なエネルギーや栄養素が不足していると、活動量を上げられないからです。
低栄養の状態では免疫力も低下し、感染症リスクを高めます。
身体・心身の機能を低下させる廃用症候群の要因になりかねないため、1日あたり1500kcalのエネルギー量を確保しましょう。
自立支援介護では、自然排便できる環境づくりも必要です。
便秘になると、食欲不振・倦怠感・腸閉塞などのリスクを高めます。
予防するためには、適切な食事と水分摂取、適度な運動が欠かせません。
自然な排便を促し、下剤の減薬を目指しましょう。
自立支援介護では、適度な運動も欠かせません。
一定のリズムでの反復運動を行い、生活動作を改善しましょう。
生活動作は歩行と結びつくため、様子を確認しながら積極的に歩行機能訓練を行うことが必要です。