
介護福祉事業の費用構造は、利用者の支払う自己負担金と、サービス提供事業所が運営維持で支払う経営コストの2つの側面で構成されます。
単なるサービス提供の対価ではなく、社会保障を持続し、支えるための共有財産といえます。
質の高いサービス提供に向けた負担であり、利用者の支払う自己負担金も、安心を買うための出費と考えられるでしょう。
しかし、物価高や人手不足などのあおりを受けているため、最新技術を駆使した介護DX推進や、費用効率化を図ることの必要性が高まっています。
そこで、介護福祉事業の費用構造について、利用者と事業所別の内容や高騰への対応方法を解説します。
介護福祉事業における利用者側の費用構造として、まず介護保険の1〜3割が自己負担になることが挙げられます。
原則、介護保険制度によって、介護サービスの利用料は、利用者の所得に応じて1~3割の自己負担となります。
要介護度ごとに1か月に利用できる保険給付上限も定められているため、限度額を超えれば全額自己負担しなければなりません。
施設に入所する場合は、保険適用の介護サービス費とは別に、家賃・食費・理美容代などの日常生活費がかかります。
自己負担する費用も多いといえますが、低所得者であれば特定入所者介護サービス費などの負担軽減措置も用意されているため、相談してみることをおすすめします。
介護福祉事業所側の費用構造として、人件費負担の大きさと経営安定化に向けた加算取得が挙げられます。
かかる費用の6割から7割は人件費であるものの、国の定めた介護報酬に従って利用料などを請求するため、自由に価格を引き上げることはできません。
そのため、経営安定には加算取得が不可欠といえます。
処遇改善加算を算定して職員の給与に還元することや、特定事業所加算を得るための専門職配置など、費用をかけても単価を上げられる経営判断も求められます。
介護福祉事業に求められる費用高騰の要因は、近年の電気・ガス・食材費の高騰が関係します。
費用高騰が経営を圧迫していることへの対応が急務といえるでしょう。
深刻な人手不足とコスト増への対応のために、ICT機器を導入して生産性向上や業務効率化を実現させた事業所への評価も新設されています。
今後は、財務諸表の公開が義務化されると考えられるため、適切に費用がケアの質向上や給与に充てられているか確認されるようになるでしょう。