
介護福祉事業における認知症は、専門性の求められる領域といえます。
日本の認知症高齢者数は増加傾向にあり、介護現場でも認知症への対応がサービスの質を左右する課題となっています。
そこで、介護福祉事業における認知症について、ケアの種類や適切な対応方法を解説します。
介護福祉事業におけるに認知症は、病気の対象としてではなく、生活のあり方を支える重要なテーマともいえます。
従来までの徘徊や暴れることの症状を抑え込むための管理から、認知症の方の視点に立って不安を取り除き、自立を支えるケアへと変化しています。
介護福祉事業では、認知症の特性に合った専門的アプローチが実践されています。
たとえば、認知症の方の言動や感情について、否定せずに共感しながら受け入れるバリデーション療法などは、精神的な安定を図ることができます。
過去の懐かしい写真や道具を使って、一緒に思いで話をすることも、脳の活性化や心の安らぎを取り戻せる心理療法につながるでしょう。
さらに、認知症の方へ、見る・触れる・話す・立つの4つの柱に基づいたケア技法を実践することで、大切な存在であるというメッセージを伝えることもできます。
認知症の徘徊・暴言・幻覚などの症状は、不安や何らかの理由が背景にあると考えられます。
介護福祉事業では、認知症の方の言動を問題行動として片付けるのではなく、何が原因なのか探ることも大切です。
環境を整えることで、状況が改善することや薬への依存がなくなるなど、適切なケアの実現につながりやすくなります。
認知症に関しては、事業所内でケアを行うだけでなく、地域全体で理解する取り組みも必要です。
そのためにも、事業所主体で認知症サポーター養成講座を開催し、正しい認知症に関する知識を広めましょう。
外出先で困っている認知症の方がいたとき、地域の方が自然に助けることのできる見守りの目を育てることもできます。
介護現場では、認知症に関する専門性を高めることが必須となりました。
しかし、人手が足りていない中、見守りにも限界があり、十分なケアの時間を確保できていません。
介護職員のストレスが蓄積しないように、人員配慮等に工夫をしつつ、ケアが行き渡る環境の整備が急務といえます。