
介護福祉事業が主に海外との関わるシーンは、外国人材の受け入れや、日本の介護モデルの海外展開が挙げられます。
人材交流と日本モデルの輸出により、日本の介護福祉事業は国境を越えた転換期にあるといえるでしょう。
深刻な労働力不足を背景に、人材受け入れや日本式の介護システムの海外展開などの動きが加速しています。
そこで、介護福祉事業と海外との関わりや、外国人材の受け入れやグローバル展開における課題を解説します。
日本の介護現場でも、外国人材の受け入れはあります。
介護福祉事業の外国人材の受け入れに関しては、次の4つの枠組みで手続を行います。
・EPA(経済連携協定)…ベトナム・インドネシア・フィリピンなどの相手国の経済協力の一環としての受け入れ制度であり、日本の介護福祉士国家資格の取得を目指す候補者を主に対象とする
・技能実習制度…母国に日本の技術を伝える国際貢献を目的とするものの、実質的に現場の戦力となっている
・特定技能…2019年に即戦力となる外国人材受け入れのために新設された在留資格で、技能と日本語能力の試験に合格した外国人が対象
・在留資格「介護」…日本の介護福祉士養成施設を卒業後、国家資格を取得した外国人材が、日本で専門的に介護や指導業務に従事する
基本的に、受け入れ対象となる外国人材は、若くて意欲も高いため現場の活性化にも寄与しやすいといえます。
ただし、言語の壁や文化の違いなどの問題を解消しなければなりません。
自立支援を重視するケアや、きめ細やかなサービスなどは、アジア諸国からも高く評価されています。
そのため、日本式の介護施設の運営におけるノウハウ・従業員教育・介護ロボット・ICTシステムなどは、いずれも質の高い製品が海外へ展開されています。
単なる介助などに留まらず、回復を目指せるケアを提供する概念は、他国にはない日本の強みといえます。
介護福祉事業が海外との連携を深めて、グローバル化を進めるためには、避けて通れない課題も存在します。
世界共通の課題である少子高齢化で、限られた人材の争奪戦はすでに始まっており、激化する一方です。
欧米諸国もアジア諸国の人材を求めているため、キャリアパスや定住のしやすさを含めた働きやすさをアピールし、他国と競わなければなりません。
また、海外に日本式介護モデルを持ち込んでも、生活習慣・宗教・倫理観・家族観などの違いで、通用しないケースもあります。
持ち込む国の文化を尊重しつつ、現地に即した形へとカスタマイズする柔軟性も必要といえるでしょう。