
介護福祉事業における認知症ケアの重要性は急速に高まっているといえますが、専門的な知識と技術が求められます。
認知症の方が尊厳を守り、自立した日常生活を送ることができるように、認知症ケアにおけるプローチは適切なものでなければなりません。
そこで、介護福祉事業の認知症ケアについて、役割やアプローチ方法を解説します。
介護福祉事業は、認知症の方が住み慣れた地域で本人らしい生活を送れるように、専門的な知識や技術を持ってサービスを提供する役割を担当します。
社会とのつながりを提供し、身体介護にとどまらない心身機能維持や家族の支援などの多角的な支援も行います
実際、介護福祉の現場では、認知症の症状を理解し、本人のペースに合わせた個別ケアが求められます。
水分・栄養・排泄・運動などの人間の基本原則に基づいて、残存機能を活かした自立支援を行い、生活の質向上を目指すことが必要です。
在宅でばかり過ごすのではなく、通所介護やグループホーム(認知症対応型共同生活介護)なども利用することで、孤立してしまうことを防げます。
施設への短期入所などの利用で、日常的に介護をしている家族が休息をとるレスパイトケアにもつながります。
認知症ケアでは、単なる身体介助にとどまらず、意思や尊厳を優先した上での専門的アプローチが求められます。
本人の個性やこれまでの人生の歩みを尊重しつつ、見る・話す・立つ・触れるの4つの柱を組み合わせて、安心してケアを受けてもらえるアプローチを行います。
たとえば、過去の懐かしい体験や思い出などを語り合うことにより、適度に脳を刺激しつつ、自尊心や自信を取り戻せるでしょう。
認知症には、脳の病変が原因である中核症状と、環境や人間関係などによる行動心理症状があります。
そのため、認知症の方には以下の方法で対応しましょう。
・先回りで環境を整備する
・原因を突き止める
・コミュニケーションを円滑化する
認知症の方へ対応する際には、先回りで環境を整備することが必要です。
記憶障害や見当識障害などによる変化を正しく受け止めて、認知症の方が安心して過ごせるように、先回りして環境を整えましょう。
本人の不安や苦しみのサインである幻覚や徘徊などがなぜ起こるのか、原因を突き止めてストレスを取り除きましょう。
本人の言動を否定してばかりではなく、一旦は受け止めて、わかりやすい言葉と笑顔で接することが大切です。