
介護福祉事業の都市部と地方における違いを確認すると、高齢化のスピードや社会資源が異なることによる、サービスの質や量の地域格差が見られます。
そこで、介護福祉事業の地域格差の現状について、課題や是正する解決策を解説します。
介護福祉事業における地域格差とは、居住地域によって利用できる介護サービスの選択肢・質・費用などに不均衡が生じる状態です。
都市部と地方の対比にとどまらず、自治体ごとの財政力や人口動態に起因する問題といえます。
介護福祉事業の地域格差の現状として、まず地域包括ケアシステムの運用差が挙げられます。
地域包括ケアシステムは、それぞれの自治体が主体となりますが、予算やマンパワーの差でサービスの充実度に差が生じています。
また、地域ごとに高齢者の割合や健康寿命が異なるため、要介護認定率にも影響を及ぼします。
高齢者の絶対数は、地方よりも都市部が圧倒的に多いため、限られた施設やサービスに対する需要が急増しています。
介護を求める方が適切なタイミングでサービスを利用しにくい状況であるといえますが、地域ごとで新たな施設設置が難しいケースも見られます。
都市部の特別養護老人ホームなどでは、数年に渡り入所を待つ待機高齢者が都集中しています。
地方や過疎地域では高齢者が増えている一方で、介護を支える労働力は不足しています。
介護ニーズは高まっている中で人材不足は深刻化しているため、地域社会全体で介護を支える力が弱まっているといえます。
若年層は地方から都市部へ流出する傾向が高いため、介護職員の確保が難しく、採用コスト高騰や事業所閉鎖などを起こすケースも見られます。
交通アクセスが不便な場所での事業所運営では、移動効率が悪化し、採算が合わず赤字経営になりやすい問題も抱えています。
介護の地域格差を是正するために、介護福祉事業における地域格差を縮小し、どの地域でも一定水準以上のサービスを利用できる環境整備が必要です。
そのための対策として、以下が挙げられます。
・オンライン診療・見守りセンサー・介護記録ソフトなど、ICTや最新技術を導入する
自治体や広域連合などの地域間での連携を強化する
・多様な人材を確保して育成を進める
・地域ボランティアや住民同士の支え合いを組み合わせた地域づくりを行う