令和2年2月、内閣日が公表した「認知症に関する世論調査」。その結果を見ると、調査項目は認知症についてのイメージや抱える不安など、6項目についての記載がありました。
令和元年12月に全国の18歳以上で日本国籍を有する方3千人を対象に実施された世論調査です。
得られた回収は1,632人からで回収率54.4%という結果でした。
その調査項目は、
・認知症の人と接する機会の有無
・認知症に対するイメージ
・認知症になった場合の暮らし
・認知症に対する不安(本人自身)
・認知症に対する不安(家族)
・成年後見制度に関する認知
という6つの項目となり、結果が公表されました。
この項目での質問内容は、「あなたは今までに認知症の人と接したことがありますか。それともありませんか。」という内容です。
「ある」と回答した方は61.6%、「ない」とこたえた方は37.7%でした。
さらに「ある」と回答した方のうち、「家族の中に認知症の人がいる(いた)」と回答した方は47.7%でした。
多くの方が、家族が認知症になったときにはじめて、認知症の方と接する機会を持つことがわかります。
「あなたは認知症に対してどのようなイメージを持っていますか。」という質問に対し、最も多かった回答は「認知症になると、身の回りのことができなくなり、介護施設に入ってサポートを利用することが必要になる」というこたえで40.0%となっていました。
認知症になれば介護施設に入り介護を受けることになるといったイメージを抱いている方が多いことがわかります。
「もし、あなたが認知症になったとしたら、どのように暮らしたいと思いますか。」という質問に対し、最も多かった回答は「認知症になっても、医療・介護などのサポートを利用しながら、今まで暮らしてきた地域で生活していきたい」というこたえで28.9%でした。
認知症のイメージは介護施設で介護を受けることになるという回答が多かったのに、もし自らが認知症になったとしても生活する場所は変えたくないと考えていることがわかります。
「もし、あなたご自身が認知症になったとしたら、どのようなことに不安を感じると思いますか。」という質問に対し、最もおおかったのは「家族に身体的・精神的負担をかけるのではないか」という回答で73.5%でした。
そして「もし、あなたのご家族が認知症になったとしたら、あなたはどのようなことに不安を感じると思いますか。」という質問に対しては、「ストレスや精神的負担が大きいのではないか」という回答が最も多い65.1%でした。
どちらの場合も、メンタル的な不安が大きいことがわかります。
そして令和元年には「あなたは、成年後見制度について、どのようなことを知っていますか。」という質問も行われていましたが、この質問で最も多かったのは「認知症、知的障害、精神障害などの理由で判断能力が不十分な方の権利や財産を守る制度」という回答で40.8%でした。
認知症は誰でもなる恐れがあるため、今回の世論調査の結果を踏また上で、もし自分だったらどうのように生きたいのか考え、認知症になった家族がいれば今の介護は最善の選択なのか検討してみることも必要なのかもしれません。