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介護施設の中でもサービス付き高齢者向け住宅とシニア向け分譲マンションは何が違う?

2020.06.08
分類:その他

高齢になり、これまで住み慣れた家で生活を送りたいものの、階段の上り下りがつらかったり不安な面はあるけれど老人ホームはまだ早いと感じたり、そのような場合に検討したい介護施設が「サービス付き高齢者向け住宅」や「シニア向け分譲マンション」です。

どちらも介護保険法や老人福祉法の定めにある介護施設とは異なる、高齢者住宅という種類の施設であることが特徴といえます。

高齢者を対象とした住宅なのであることはどちらにも共通していますが、細かな特徴など異なる点が多いのでそれぞれの内容をご説明します。

サービス付き高齢者向け住宅とは?

高齢になり、身体機能が低下してもそのまま住み続けることができるよう、館内はバリアフリー構造になっていることが特徴です。

高齢の方が普段の生活を安心して送ることができるように安否確認や生活相談などのサービスも利用できます。

サービス付き高齢者向け住宅の特徴は、契約方式はあくまでも賃貸借契約であることです。

設備としては、居室にキッチンやトイレ、洗面、浴室などが備わっており、他の入居者と共有で使用できるリビングなども設けられています。

 

不安に感じる部分も相談可能

利用できるサービスは、安否確認や生活相談生活支援(掃除・買物代行)など主で、賃貸借契約なので住み替えがしやすく、高額な初期費用なども発生しません。

ただし施設によって提供されるサービス内容や施設の設備などは異なるため、その内容を事前に把握した上で決めることが重要となります。

シニア向け分譲マンションの特徴

民間事業者が販売している分譲住宅であり、高齢の方が住みやすいようにバリアフリー設計となっている点はサービス付き高齢者向け住宅と同じです。

ただこちらは分譲マンションとなるので、受付にコンシェルジュが常駐したり、生活支援サービスも豊富に提供していたり、プールやジム、娯楽施設が併設されていたりなど充実した生活を送ることができます。

 

あると安心のサービス事業者がテナントとして入っていることも

サービス付き高齢者向け住宅の場合、高齢者住まい法に基づいたバリアフリー設備の基準が設けられていますので、行政にも届出や登録が必要です。

シニア向け分譲マンションは設備基準や届出義務などはないものの、バリアフリー対応の建物であり、訪問介護事業者やクリニックなど高齢者が安心して生活を遅れるようなサービス提供事業者を館内テナントに入れていることが多いといえます。

一般的な分譲マンションの設備に加え、レストランやプール、シアタールームなど充実した共有設備が特徴といえるでしょう。見守りや食事、掃除、洗濯緊急の際の対応などのサービスも利用できますし、入居者同士のサークル活動や交流も盛んなのでコミュニケーション不足の方にもよいといえます。

 

費用負担は大きくなる点に注意

ただし契約方式は所有権方式となるため、借りるのではなく購入する形です。固定資産税の負担が発生しますし、サービス付き高齢者向け住宅は敷金(家賃の25か月分程度)と月額費用として1030万円が必要になることが多いのに対し、シニア向け分譲マンションは購入費が数千万円から数億円かかります。

さらに毎月管理費や修繕積立金、水道光熱費などの月額費用が1030万円かかるので、費用負担が大きくなる点は留意しておきましょう。