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介護施設の名称に多い「ウェルネス」とはどのような意味の言葉?

2020.08.12
分類:その他

介護施設や福祉事業にかかわる法人の名称などに使われることの多い言葉に「ウェルネス」が挙げられます。

ウェルネスとは、人々の健康を身体の側面からのみではなく、広く捉えた言葉です。米国の医師が1961年に定義付けた意味として、輝くように生き生きしている状態とされています。

ただし時代の流れや社会の情勢により、人々の生活スタイルや価値観などは変わっていくものなので、ウェルネスの概念や定義も変化しているといえるでしょう。

ウェルネスとは?

より良く生きるための生活態度のことをウェルネスといいますが、世界保健機関(WHO)が定義している健康とは、肉体的・精神的・社会的に完全に良好な状態のことで疾病または病弱が存在しないことではないとしています。

この健康という定義よりもさらに広い視野でとらえた健康観がウェルネスであり、生きていく上での前向きな気持ちの保持や自分に最適なライフスタイルを確立させることなど、健康促進に対し自発的に行動していくことといえるでしょう。

 

市場が拡大し続けるウェルネス産業

世界市場規模でみたウェルネス産業にはウェルネスツーリズム産業・医療産業・ウェルネスフード産業・フィットネス産業・ビューティ産業・ウェルネス不動産などが含まれます。ウェルネス産業の2018年時点は4.2兆ドル(約455兆円)という規模でその大きさが確認できることでしょう。

ウェルネス産業に含まれるウェルネスツーリズム産業とは、温泉や森林浴、ヨガ、ヘルシー食などを取り入れ心身の健康維持を目的として実施される観光です。また、他にも体に優しい照明を導入するなど、自然と融合した建物で心身が健康にいられる建物を手掛けているのがウェルネス不動産です。

現在ではさまざまな業界がウェルネスに取り組みを行っています。ウェルネスは健康よりも広範な概念なので、医療だけでなく他産業が参入しやすいことが特徴ですし、市場の成長を後押しできているといえるでしょう。

 

時代の流れや価値観の変化に対応することが必要

ウェルネス産業への参入は医療や介護の施設だけでなく、たとえば保育園などで手洗いの大切さを学んでもらうことを目的に、洗って読める絵本を子供に提供することもできます。飲食業では、健康のためにあえてお酒を飲まないバーを開店するという方法も考えられるでしょう。

今後も時代や人々の価値観が変わっていくことでウェルネスの概念も違ってくるでしょうが、次代に求められるウェルネスに対応できる施設づくりが必要といえます。