介護福祉事業情報ラボNursing care work Information Lab

介護施設は今後さらに進む人口減少に対応できるのか?

2020.09.14
分類:その他

今、介護施設ではいろいろな問題を抱えていますが、その中でも介護スタッフの不足は大きな課題として取り上げられることが多くなっています。

その背景にあるのは日本の人口減少であり、介護を必要とする高齢者は増えているのに人口そのものが減っているので、今後は介護スタッフなど人材がさらに不足することが想定されています。

また、介護スタッフの待遇などが改善されなければ、介護現場で働きたいと考える若い世代も増えることはないでしょう。

介護施設運営の厳しい現状

そもそも介護とは、体の機能が低下した方に、本人の尊厳を大切にしながら生活の質を維持・向上してもらうための支援を行うことです。

介護業務で生産性を見出すことは難しく、さらに公的な仕組みである介護保険で費用設定にもある程度制限が設けられており、自由に利用料など決めることができません。

そのため儲けが出にくい産業とも言い換えることができますが、だからこそ業務の効率化を図り、生産性を上げていく努力が必要ともいえます。

 

さらに人口減少が進むと予測される理由

少子高齢化が進み、年金・医療・介護などの社会保障費は急速に増加し、財政の多くを占めるようになっています。社会保障給付費は増え続けているのに、社会保険料収入は横ばいで推移しています。

しかし今後、少子高齢化により社会保険料収入は減少傾向となるのに、社会保障給付費は増えていくという状況に陥る可能性が高いといえます。

今、不足する部分は国債など長期的な債務で補っていますが、今の現役世代で返済できる借金総額ではありません。そうなると将来世代が負担することとなるわけですが、このまま社会保障制度を運用することは困難になるという可能性も危惧されています。

少子化が進むこと=人口減少を意味しており、生産性低下と労働力人口減少という事態に陥ります。

経済は活性化しなくなり、会社員の給料も減額となり、将来に備えて多くの人たちは消費を控え貯蓄を重視する傾向が強まることになるでしょう。

企業は設備投資を行わなくなり、経済はさらに停滞してしまいます。それに加え社会保障費の負担が増え、生活に大きな影響を及ぼすことになるのです。

年金や社会保障のため税金や保険料の負担が増えてしまえば、家計は圧迫されることになるでしょう。

そして子どもを産めばお金がかかるというイメージが広まることで、さらに晩婚化や少子化が進み、ますます人口減少が進むことになってしまいます。

 

介護難民を生む可能性も?

高齢化が進んでいるのに介護の担い手が不足している状況は、今後ますます深刻化すると考えられます。

高齢者の数が多すぎるのに若い世代が少なければ、担い手が足りなくなることは明らかであり、介護難民を生む大きな要因と考えられているのです。