日本経済はバブル崩壊後、長期に渡り低迷期となりデフレ状態が続いていました。そのためインフレとはもう関係のない状況と考える方も少なくないようですが、インフレに対して何の備えも行っていないのはリスクを高めてしまいます。
介護施設運営にあたっても、企業の資産をすべて銀行に預けているだけでは、インフレによりお金の価値を目減りさせる可能性もあるので注意しましょう。
日本は少子高齢化が進んでいますが、仮に有効な少子化対策が見つかり講じられたとしても、労働力不足が緩和されるのは20年以上先になってしまいます。
高齢化が進むと医療や介護のニーズが高まりますが、医療・介護の産業は省力化させることが難しいため、労働力不足に拍車がかかってしまいます。
若い世代が親などの介護に忙しくなれば、製造業などで働けなくなり、モノが生産されなくなればモノが不足します。そしてモノの値段が上がることとなる…というインフレが起きるのです。
不足するモノがあるのなら、海外から輸入して補えばよいと考える方もいるでしょう。しかし、輸入するならドル買いが増えることでドル高にとなり、輸入価格が上昇し輸入インフレが起きてしまいます。
労働力が不足すること=賃金を上昇させること、と考えられるため賃金インフレも起きてしまう可能性も出てきます。
介護業界など、サービス業はコストに占める人件費比率が高めなので、省力化できず賃金の上昇がインフレに繋がりやすい環境にあります。
そしてここ30年以内に発生する確率が非常に高いといわれている巨大地震へのリスクについても考えておく必要があります。
もし東京・大阪・名古屋などが大地震により壊滅状態に陥ってしまったら…巨額の復興需要と生産激減が同時に発生します。
物価はそれにより2倍以上に膨らむ可能性も否定できないのです。
大きな災害はいつどこで起きるかわかりませんが、資産運用に際しても認識する必要があります。
銀行に預けているお金仮に億単位だとしても、大地震によってとてつもないインフレが発生した場合には、安心した老後を過ごすことができなくなる可能性もあります。
介護施設運営にしても同様に、インフレに強い資産を保有しておくことも必要であると考えておくべきでしょう。