新型コロナウイルスの感染防止対策の1つとして、政府は介護施設などに対する布マスク配布することを進めていました。
しかし厚生労働省は2020年7月30日から予定していた、約8千万枚という介護施設などへのマスクの一律配布を断念し、希望する施設にだけ配り余剰分は備蓄に回す方針を固めたようです。
政府の布マスク配布計画のうち、すべての世帯に向けた配布は2020年6月20日までに約1億3千万枚が配布され完了しています。
この取り組みにかかった費用は約260億円といわれており、別途、介護施設・保育所・幼稚園などの職員に向けても配布が続き、約6千万枚が配られました。
そして2020年7月30日からは、さらに約8千万枚の布マスクを配布する予定でしたが、その費用は総額約247億円かかると見込まれていたのです。
しかし現在、マスクの品薄状態は解消されており、介護施設などからも布マスクは必要ないといった声が相次ぎました。
配布される予定だった布マスクについては、小さくて使いにくいという声や、施設の方針で使い捨てのみの使用としているといった声から、その必要性が問われることとなったのです。
実際、すでに家庭向けに配布された布マスクのうち、未開封・未使用で使わないものを寄付された介護施設なども、使うことがなく保管してあるというケースも見られます。
必要性について様々な声があがったことで、厚生労働省でも送付先のニーズを踏まえた上で検討していくとしていました。
しかし不要とされたマスクが大量に備蓄されてしまうと、さらに批判を招くこととなるでしょう。
介護施設などの現場から今は布マスクを必要としていないという声が出ていることなどを踏まえ、希望する施設にだけ配布する方向で検討することになったようです。
7月下旬から配布予定だった8,000万枚の配布は延期となったわけですが、今後は様々な可能性を踏まえながら結論を出していくとのこと。
これまで配布した施設に追加で配布する当初の計画はとりやめ、希望する施設のみに配布する方向で検討することを決めました。余る布マスクについては備蓄することになる見通しです。
政府から配布されている布マスクは、使い始めのころはメガネの曇りが発生しないといったメリットもあるようです。
しかし使うたびに洗うため、だんだんと縮んでいくこととなり、小さくなった状態では隙間から息が漏れてメガネが曇るようになるようです。
また、呼吸が荒いときには呼気中の水分を布が吸い湿ってくるため、夏場や介護現場で労働をしている間には蒸れてしまうことが予想されますので、もし使用するのなら使い捨てマスクと併用しながらのほうがよいでしょう。