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介護施設の建設工事で行う契約手続は公共工事に準ずることが必要

2020.11.07
分類:その他

高齢者福祉施設などを整備する上で実施される入札関係事務の取扱いについて、「高齢者福祉施設等の施設整備事務取扱要領」が定められていることを知っておきましょう。

社会福祉法人の施設建設工事に係る契約手続は、平成13年7月に厚生労働省から通知された「社会福祉法人の認可等の適正化並びに社会福祉法人及び社会福祉施設に対する指導監督の徹底について」によって、都道府県市が行う公共工事に準ずることなどが求められているからです。

契約方法について

1件の予約価格が130万円を超える工事案件については、期限付き一般競争入札の対象となりますが、地方自治法施行令第167条の規定に該当する場合は指名競争入札にすることも可能です。

なお、次のいずれかに該当する場合には、随意契約とすることもできるとされています。

・契約の性質または目的が競争入札に適しない場合

・緊急の必要により競争入札に付することができない場合

・競争入札に付することが不利と認められる場合

・競争入札に付し入札者がいないとき、または再度の入札に付し落札者がいない場合

そしてこの規定によって、指名競争入札とするときの指名業者数は次に従うこととなります。なお、この指名業者数を指名できない場合などはこの限りではありません。

・予定価格2億円以上…指名業者数12社以上

・予定価格5千万円以上~2億円未満…指名業者数10社以上

・予定価格1千万円以上~5千万円未満…指名業者数7社以上

・予定価格1千万円未満…指名業者数5社以上

1件の予定価格が130万円以下である工事の契約については随意契約としますが、このときの指名業者数は2社または3社にすることも可能です。

契約方法については、法人で理事会などを開催し決めることが必要になります。さらに不良不適格業者を排除し、契約を確実に履行するためにも必要な入札参加条件も設定することが求められています。

予定価格についても、前年度の実績や予算を参考として適正に定め、理事会で決定しますが原則、落札決定後の公表となります。最低期限価格、入札保証、契約保証の有無なども理事会での決定が必要です。

落札業者が決まった後は、自治体から補助金等交付決定通知がされた後で、理事会で審議の上、速やかに契約締結しましょう。契約締結後は、2週間以内など決められた期間内に、契約書のかがみ・工程表、それぞれの写しを自治体に提出することが必要なので忘れないようにしてください。