介護施設は福祉分野ですが、福祉とは幸せという意味です。そのため福祉学とは、社会の中で人々が幸せに生活するための学問であり、政治学や経済学、法学と共通している部分ともいえます。
ただし福祉学は、社会的に恵まれない弱者と呼ばれる方たちが自立して生きることができる社会を実現させることへ働きかけていくことが特徴です。
そこで、介護施設を運営する上で知っておきたい、政治学や経済学では学ぶことのない福祉学についてご説明します。
社会的に弱者と呼ばれる方とは、お金に困っている方をイメージすることが多いでしょう。
しかし低所得の方以外にも、子どもや女性、高齢者、身体や精神が不自由な方、疾患を患っている方、働きたくても働くことができない方なども含まれます。
福祉学はそれぞれの社会的弱者と呼ばれる方を対象にした研究領域があります。
法律上や政治的にどのように解決すればよいか、年金・健康保険・介護保険なども含まれますし、心理的な部分からのアプローチや、機器やサービスなど事業・産業からのアプローチ、社会基盤を整備するなど様々なアプローチ方法もあります。
社会的弱者を守るだけではなく、自立して社会に生きていける環境を作ることが必要ですので現場が重要であり、生の声を聴いて共感することから始めるべきといえます。
社会制度の基礎である枠組みを決めるのが政治なので、政治学では政治理論・政治思想史・政治史・公共政策・国際政治などを総合的に研究し学びます。少子高齢化や介護福祉問題など、現状抱えている問題はもちろんのこと、紛争や難民問題まで幅広い研究が行われます。
福祉学では社会的弱者にポイントを置いているため、政治学とも似た部分はありますが異なるといえます。
福祉学に興味がある学生などがいる場合、学部や学科、コースや専攻、課程など何を選べばよいかわからないこともあるようですが、たとえば大学選びであれば「福祉」というワードに学べる学校を探すことが必要です。
代表的な学科は社会福祉学科ですが、他にも福祉経営学科・保健福祉学科・地域福祉学科・福祉臨床学科・福祉心理学科など別のワードが福祉についた学科も数多くあります。
その上で、介護現場で活躍するために取得しておきたい社会福祉士や介護福祉士などの国家資格を学ぶとよいでしょう。
資格取得を目指すときには、取得したい資格を受験するために必要なカリキュラムが整備されているか確認しておくことが必要です。