介護現場で働きたい方は、複数ある介護施設の中でもっとも働きやすいのはどこかと考えるものです。
24時間、介護を必要とする介護施設には特別養護老人ホームや老人保健施設などがありますが、どちらのほうが働きやすいのでしょう。
そこで、特別養護老人ホームと老人保健施設の運営目的や、働き方の違いについてご説明します。
特別養護老人ホームとは、施設に入所する形で介護サービスを利用してもらう公的な介護老人福祉施設です。
運営は自治体や社会福祉法人が行っており、入所するためには要介護3以上の認定を受けていることが必要など、比較的重度の介護状態にある高齢者が対象となっています。
要介護3~5に認定されているということは、自分で身の回りのことを行うことができなかったり、理解力が低下していたりなど、自宅で介護を受けながら生活することが難しい常時介護を必要とする方が対象ということです。
さらに終末ケアや看取りまで行いますし、公的な施設のため入居費用も安いため人気があります。
排泄・入浴・着替え・食事などの身体介助を中心として、他にも生活支援や健康管理、レクリエーションなどを開催し、入所者に施設で生活してもらうために働きます。
従来型とユニット型があり、従来型では複数の介護スタッフが入所者をまとめてケアすることになりますが、ユニット型は10人以下の入所者が1つのグループとなり、限られた介護スタッフがグループを担当する形です。
身体介護が主なので、介護スタッフは体力が必要です。看取りも行うため、精神面でも負担を感じない方のほうがよいでしょう。
介護技術や認知症ケアを身につけたい方にも適しています。
介護老人保健施設は、リハビリや医療ケアがメインとなる施設で、在宅復帰が前提となることが特徴です。そのため入所者のケアプランは3か月ごとに見直しが行われます。
65歳以上の高齢者なら要介護度1でも入所でき、医師・看護師・理学療法士や作業療法士といったリハビリの専門の職員も勤務しています。
介護スタッフは入所者の状態に応じて身体介助や生活援助を行っていくこととなります。
特別養護老人ホームよりも要介護のレベルが低い方も多いので、身体的な負担は軽くなるでしょうが。
入所者の入れ替わりが多いことから、コミュニケーション能力が比較的高めの方のほうが向いています。
医学・看護・リハビリなどの知識や技術を高めながら、介護スタッフとして能力向上を目指す方にぴったりです。
これらも踏まえながら、特別養護老人ホームとどちらが働きやすいか選ぶとよいでしょう。