要介護者を対象として定員30人未満の小規模な特別養護老人ホームを「地域密着型介護老人福祉施設」といいます。
介護福祉業界の中でも地域密着型サービスは、認知症や中重度の介護を必要とする方でも、これまでどおり住み慣れた地域で生活を続けることを可能とするためのサービスです。
そのため入所の対象となるのは、その市町村に居住する方となっています。
地域密着型介護老人福祉施設は、入所定員が29人以下と小規模の特別養護老人ホームであり、提供されるサービスは「地域密着型施設サービス計画」に基づいた内容となります。
地域や家庭との結び付きを重視し、明るく家庭的な運営を行っていることが特徴です。
地域密着型介護老人福祉施設の居室は、
・多床室(定員2人以上の複数人が生活する相部屋)
・従来型個室(居間のない居室のみの部屋)
・ユニット型個室(居間など共有スペースを併設しており、個室床面積が8畳以上の部屋)
・ユニット型個室的多床室(床面積が8畳未満など、基準が緩和されている部屋)
の4つのタイプに分かれています。
この中でもユニット型はすべて個室になっており、利用者は10人以下の1つのグループに分かれ、プライバシーに最大限配慮した部屋でこれまでと変わらない生活を送ります。
利用者中心のケア体制を可能とすることが特徴で、入浴やレクリエーションなどは団体で行います。
地域密着型介護老人福祉施設は、要介護の認定を受けた方(原則要介護3~5)のうち、利用する施設と同じ市町村に住んでいる方です。
要介護1や2の方でも次の特例で入所が認められることもあります。
・認知症で日常生活に支障をきたす症状などが頻繁に見られること
・知的障害や精神障害等を伴い、日常生活に支障をきたす症状などが頻繁に見られること
・家族などによる深刻な虐待が疑われることなどで、心身の安全・安心を確保することが難しい状態であること
・単身世帯の場合や、同居家族が高齢や病弱などで支援も期待できず、地域での介護サービス供給が不十分であること
ただし要支援1、2の方は利用不可となっていますので注意しましょう。
地域密着型介護老人福祉施設で提供されるサービスやその流れは特別養護老人ホームとほぼ同じであり、食事・入浴・排泄などの身体介護の他、日常生活上の世話、機能訓練、健康管理や療養上の世話などがサービスとして提供されます。