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介護に献身的に努めた親族に認められる相続分とは?

2019.11.05
分類:その他

もし人が亡くなり、相続が発生した時にはその方の財産を法定相続人で分けることとなります。

しかし、核家族化が進む日本では、たとえば亡くなった親の住む実家とは遠く離れたところで暮らしていて、ほとんど連絡を取ることもなかったという子もいるでしょうし、亡くなるまで献身的に親の介護を行っていたという子もいることでしょう。

ただ、法定相続分に従うこととなれば、複数の子が親の財産を相続する割合は同じです。

相続人に認められる寄与分の主張とは?

同じように亡くなった方の子という立場でも、亡くなった方の親の財産を維持・増加することに貢献した相続人の場合、相続財産のうち寄与分を増やしてもらうように主張することができます。

寄与分として主張が可能となるのは、亡くなった方の介護や看護を行っていた場合や、借金の肩代わりをした場合、生活を支えていた場合、事業などを無償で手伝っていた場合などです。

この寄与分については、これまで主張を可能とするのは法定相続人だけだったのですが、民法の改正により法定相続人以外の親族でも、相続人に対してき余分を金銭として請求する権利が認められるようになりました。

 

相続人以外の親族には金銭請求権が認められることに

民法で規定されている相続法は、このたび約40年ぶりに見直しが行われ、相続に関する様々な取り決めが変更されています。

その中でも、亡くなった方の介護や看病を行ってきた親族に対し、一定の見返りとして相続人に金銭を請求することが認められるようになりました。

たとえば長男の妻がいくら義理の親の介護や看護などを献身的に行ったとしても、直接的な法定相続人ではありませんので相続財産を得ることはありません。

そこで、亡くなった方の財産を相続した相続人に対し、寄与したことに応じた金額の特別寄与料を請求することができます。

もし無償で介護を行っていなければ、外部の介護サービスを利用しなければならない機会が増え、亡くなった方の相続財産を減少させていたかもしれません。

そのため、財産を維持することに貢献したと考え、その分を見返りとして請求することができるという規定です。

金銭請求権が認められる相続人以外の親族

なお、法定相続人に対して金銭請求権が認められる相続人以外の親族とは、

亡くなった方の6親等以内の血族

亡くなった方の3親等以内の血族の配偶者

などです。ただし、相続放棄した方や相続欠格人、相続廃除などの対象の方は、相続人としての権利はありませんが、この金銭請求権も認められませんので間違わないようにしましょう。

なお、親の介護を行っていた子の配偶者以外、孫の配偶者などにも金銭請求権は認められることになります。

ただし、家政婦やヘルパーなど親族でない方には金銭請求権は認められていませんし、内縁や事実婚による配偶者も同じく主張することはできないとされています。