認知症の方が、家庭的な雰囲気と環境の中で、日々のケアを受けながら生活できる介護事業者を「グループホーム」といいます。
正式名称は「認知症対応型共同生活介護」といいますが、認知症に特化した施設なので仮に開業する場合には何か特殊な手続きが必要になるのではないかと考えがちです。
そこで、もしグループホームの介護事業者となる場合、どのような要件を満たせばよいのかご説明します。
グループホームという形式の施設は、併設型・単独型・合築型という3つの種類があります。
種類は異なる場合でも、開設する上で満たさなければならない基準は共通しています。
厚生労働省では、人員・設備・運営の3つの指定基準を定めており、各都道府県や市区町村でもこの指定基準を基にして独自の指定基準を設けていることがあります。
グループホームは地域密着型サービスに含まれるため、それぞれの市区町村の指定基準に従うことが必要です。
なお、指定基準を満たした上で事業を営んでいるか、実地指導による確認されることとなり、指定更新を6年ごとに手続きすることも必要になります。
人員で満たすべき基準は、代表者・管理者・従業員・計画作成担当者とそれぞれ異なります。
まず代表者は、介護・保健医療・福祉サービスなどを提供する事業に携わっていた経験が求められますし、一定の研修を修了していなければなりません。
管理者は共同生活住居ごとに従事・常勤する形での配置が必要で、必要な知識および経験を有する方でなければなれないとされていますし、一定の研修を修了していることが必要です。
介護従業者のうち、1人以上は常勤であることが必要で、夜間・深夜の時間帯を通じ必要な数以上配置することなどが必要とされています。
計画作成担当者も共同生活住居ごとに配置が求められており、一定の研修を修了している知識・経験が十分ある人物で、その職務に従事するものであることが必要です。
いずれもその他、詳細に要件が定められているため、満たさなければグループホームは開設できません。
グループホームの設備基準も、事業単位・居室・その他共有スペースや設備・運営基準などで定めを満たすことが必要です。
たとえば共同生活住居の入居定員は5人以上9人以下であることとし、居室は個室で床面積が7.43平方メートル以上必要とされています。
居間や食堂など共有スペースの他、その他の設備なども安全に過ごすことができる配慮が必要とされ、鍵のかかる棚なども完備させなければなりません。
また、介護予防のモニタリングや、介護計画の作成、市町村ごとが公開する運営基準に準拠していることなども求められます。