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老人ホームなどの介護事業者は利用者1人に対し2人分の居室数の部屋を準備できる?

2021.07.09
分類:その他

介護事業者に対する質問の中には、老人ホームでは2人部屋を1人で利用ができるかといったこともあるようです。

1人の利用者が2人で使用する居室数の広さの部屋を利用することになりますが、そもそも可能なのかご説明します。

有料老人ホームでは対応可能な場合もある

老人ホームといっても、特別養護老人ホームやグループホーム、有料老人ホームなど施設の種類はいろいろあります。

介護の必要性が軽い方が入居可能であり、広い部屋が設定されていることが多いのは有料老人ホームですが、ひとり1部屋が基本ではあるものの2人部屋を1人が利用することもできます。

施設によっては2LDKなど、複数の部屋が利用できる施設もありますが、料金は高くなると認識しておいたほうがよいでしょう。

 

老人ホームの居室面積に基準はある?

厚生労働省の「有料老人ホームの設置運営標準指導指針」では、1室の床面積は18㎡以上とされ、一人床面積13㎡とされていますが、必ずこの基準を守らなければならないわけではありません。

有料老人ホームにも専属のスタッフが24時間介護を担当する「介護型」と、介護を必要なときには外部の介護サービスを利用する「住宅型」がありますが、どちらも共通しています。

1室床面積に含まれるのはバルコニー以外の総床面積で、一人床面積にはバスやトイレなど以外の居住空間の面積です。

老人ホームのパンフレットなどを見ると居室面積と記載があるものの、どの部分の広さかわからないこともあるでしょう。この場合、1室の床面積を指しています。

 

1人で夫婦部屋や2人部屋の契約が可能なケース

有料老人ホームの中には、夫婦や兄弟で一緒に同じ部屋で生活できるような居室を準備していることもあります。

そのため空室があれば、1人でもそれら二人部屋を利用することは可能となるでしょう。

ただし部屋の広さに応じて料金が変わるため、通常の一人部屋の約2倍は費用がかかると認識した上で契約するようにしてください。

また、移動や掃除、片付けなど、部屋が広い分負担も大きくなってしまうので、介護を必要とする状態ではできるだけコンパクトにまとまっている部屋のほうが使いやすいこともあります。

窓が大きいときや天井が高いと部屋が広く感じるものですが、荷物なども少ない方が部屋は広く感じるはずです。

クローゼットの備え付けがある部屋ならタンスを持ち込む必要もなく、食事は食堂で行うなら食器も最低限でよいでしょう。

不要なものは入居する際に処分し、部屋に無駄なものを持ち込まないようにすると、2人部屋でなくても十分な広さを確保し快適に生活できます。