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介護事業者でも公共型と民間型では提供するサービスが異なる?

2021.07.12
分類:その他

介護事業者の中でも、特別養護老人ホームと有料老人ホームはどちらも介護施設であることは同じですが、公共型なのか民間型なのかという違いがあります。

まず特別養護老人ホームは社会福祉法人や自治体などが運営する公的施設であり、社会福祉の観点から要介護度が重い方や低所得者などを支援することに重点を置いています。

それに対し有料老人ホームは民間施設なので、高齢者ニーズを満たすことに重点が置かれてサービスも充実しているといえます。

公共型と民間型では入居条件やかかる費用、居室やサービスなど内容が異なることを理解しておきましょう。

入居条件の違い

公共型の介護施設である特別養護老人ホームの場合、要介護レベルが高い方でなければ入所できず、65歳以上で要介護度35であることが条件となっています。

有料老人ホームは民営型なので、入居要件は施設ごとに異なるものの、たとえば60歳以上や65歳以上の方で身体状態は問われないといった場合もあります。

自分で身の回りのことができる自立者向けの健康型有料老人ホームなどもあることが特徴です。

 

費用の違い

公共型の特別養護老人ホームは、社会福祉法人や自治体などが運営しているため、国からの助成金や税金面での優遇措置が設けられています。

そのため、入居者が負担する費用も比較的安くて済みます。

入居の際に一時金も必要なく、所得に応じた介護保険の自己負担分を月額料金として支払います。

たとえば4人が利用する多床室なら月9万円程度、個室で13万円程度がおおよその目安です。

所得に応じて食事と住居費の負担軽減もあり、所得が低い方の場合には上記の金額から36万円程度や安く抑えることも可能となるでしょう。

対する有料老人ホームの場合には、入居一時金は不要という施設もあれば、数千万円という場合もあります。

月にかかる費用は、介護保険の自己負担を含めて1540万円程度と幅が大きく、施設の規模や立地・設備・個室の広さ・サービス内容などで大きく異なります。

 

提供されるサービスの違い

特別養護老人ホームの場合は、日々の入浴・排泄・食事などの身体介護に他、日常生活の介助・機能訓練・健康管理・療養上の世話などがサービスとして提供されます。

介護と生活支援が中心となり、リハビリ・看護・医療ケアなどは積極的ではない施設もあるといえます。

有料老人ホームでは、食事提供・入浴・排せつなどの介護・洗濯・掃除など家事支援・健康管理などの他にも、入居者が求める充実したサービスも提供されます。

食事メニューを充実させていたりリハビリテーションに力を入れていたり、看護師が24時間常駐し日中は医師が常駐といった体制を整備している施設もあります。

どちらも入居者3人に対し1人の介護スタッフを配置しなければならない点は同じですが、有料老人ホームでは最低限とされている人数を超える介護スタッフを配置しており、手厚いケアやサービスを強みにしていることが多いといえるでしょう。