介護事業者が提供する介護サービスの種類はいろいろですが、医療的ケアを必要とする方が在宅で生活することを支えることができるように、小規模多機能型居宅介護に訪問看護の機能が加わった「看護小規模多機能型居宅介護」などもあります。
一般的な介護事業者と異なり、介護と看護が一体的に提供される介護保険サービスなので、看護を専門とする看護師もいることが大きな特徴です。
そこで、看護小規模多機能型居宅介護とはどのような介護保険サービスなのか、その内容をご説明します。
看護小規模多機能型居宅介護とは、訪問介護・通所介護・短期入所などの介護サービスに、さらに訪問看護を加えた介護と看護が一体化した介護保険サービスです。
主にベースとなるのは訪問・通い・宿泊という3種類の介護サービスを提供する小規模多機能型居宅介護です。
従来までは、訪問による介護サービスはホームヘルパーへ、通いで介護を受けるならデイサービス、介護施設への宿泊はショートステイを利用するなど、それぞれの介護事業者に依頼することが必要でした。
しかし小規模多機能により、3種類の介護サービスを自由に組み合わせ、1つの介護事業所内での利用が可能となっています。
ただ、中には小規模多機能で対応することのできない要介護者もいます。たとえば退院直後や終末期などで不安定な状態で在宅生活を送る方、重度の要介護状態にある方など、いずれも医療依存度の高い方です。
このような状況の方の在宅生活を支えるため、看護小規模多機能型居宅介護が新設され、
地域密着型の複合サービスとして地域包括ケアシステムの中心的な役割が期待されているといえます。
看護小規模多機能は主に次のような特徴がある介護サービスです。
看護小規模多機能24時間365日運営されており、利用回数の制限がなく定額制となっているため、たとえばデイサービスを利用していた要介護者が引き続き宿泊しなければならなくなったときなどでも対応可能です。
看護小規模多機能は、1つの介護事業所内で訪問・通い・宿泊のサービスが提供されるため、サービスごとにスタッフが変わることがなく安心して利用しやすいことが特徴です。
主治医と連携・指示のもとで看護師が医療処置を行うことが可能なのも、看護小規模多機能の大きな特徴です。
看護小規模多機能の登録定員は29名と少人数制となっているため、利用者それぞれに対しきめ細やかな看護や介護のサービスが提供されることが期待されます。