介護事業所の中には、学校法人だけれど介護業界に新規参入するケースもありますが、人材育成の業界に携わることが多い学校法人がなぜ?と考えてしまう方もいることでしょう。
しかし実際には、医療や福祉の学校を運営する学校法人だからこそ、介護業界に参入しやすいともいえます。
そこで、そもそも学校法人とはどのような法人なのかご説明します。
学校法人は私立学校を設置運営する主体のことであり、設立するときには寄附行為において目的・名称・設置する私立学校の種類など所定の事項を定め所轄庁の認可を受けることが必要とされています。
主に幼稚園から大学院を設置することを目的に設立される法人であり、それぞれの学校が創意工夫によりよい教育を行うことのできる自主性と公共性を兼ね備えている法人といえます。
介護福祉学校などを運営する学校法人の場合、デイサービスセンターなども併設し、学生が「臨床実習前実習」や「就職前実習」などを行うことができる環境を整備していることもあります。
高齢者にとっても、孫世代の医療福祉を学ぶ若い学生と触れ合う機会を設けることで、心身ともに元気を取り戻すことにつながっていることもあるようです。
学校と介護事業が併設されていることで、学生もより現場に近い実践的な介護技術を学ぶことができます。
利用者が趣味とするグラウンドゴルフや園芸、ダンスなどを活かしたレクリエーションなどを行い、学生と利用者が一緒に楽しみ触れ合うことで、高齢者とのコミュニケーションのとり方を学ぶことができるでしょう。
利用者も若い学生達と触れ合うことができ、健康で元気な日々を過ごすことが可能となります。
他にも学校法人だけでなく、社会福祉法人や医療法人などをグループで立ち上げ、保育園・幼稚園・障がい児入所施設・老人ホーム・クリニックなどを運営するケースもあります。
この場合も、学校法人が運営する専門分野で学ぶ学生が、福祉の現場に行きケアやコミュニケーションを学ぶことが可能です。
同グループ内が運営する介護施設を実習先や見学先にすることができ、連携した介護実習や交流活動を行うことも可能となるでしょう。
近年では少子高齢化が進みこれから介護人材はますます不足するといわれている中で、すぐ近くに園児や子供、学生、高齢者など世代を超えた方たちが触れ合うきっかけとなる場があることで、今後の人材不足解消につなげることができるかもしれません。