介護施設などを運営する介護事業者が宗教法人というケースもありますが、介護業界と馴染みのない法人というイメージが大きいと感じる方もいることでしょう。
しかし実際には、幼稚園などを運営する宗教法人もあるため、介護業界に参入していることも不思議ではありません。
そこで、そもそも宗教法人とはどのような団体なのか、その目的などについてご説明します。
宗教法人とは、教義をひろめ儀式行事を行い、信者を教化育成することを目的とした団体のことです。
宗教団体が都道府県知事や文部科学大臣から認証を受け、法人格を取得した団体といえます。
神社・寺院・教会など礼拝施設を備える単位宗教法人もあれば、宗派・教派・教団など神社・寺院・教会などを傘下とする包括宗教法人もあります。
宗教法人を設立するためには一定要件を満たした上で手続きすることが必要とされており、宗教団体としての活動実績、規則の作成、設立する旨の公告などが必お湯です。
その上で都道府県または文部科学省の認証を受け、登記所で設立登記を行うという流れとなります。
宗教法人になれる宗教団体については、宗教法人法に次のような定めがされています。
(宗教団体の定義)
第2条 この法律において「宗教団体」とは、宗教の教義をひろめ、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とする左に掲げる団体をいう。
1礼拝の施設を備える神社、寺院、教会、修道院その他これらに類する団体
2 前号に掲げる団体を包括する教派、宗派、教団、教会、修道会、司教区その他これらに類する団体
この定めからわかるとおり、宗教の教義をひろめ儀式行事を行い、信者を教化育成することを目的に礼拝施設を備えた神社・寺院・教会・修道院などに類する団体でなければならないということです。
また、これらを包括する教派・宗派・教団・教会・修道会・司教区などに類する団体であることが必要といえます。
また、3年程度の活動実績も必要となります。
宗教法人が運営する介護施設の場合、利用者の宗教や宗派などと異なっていると利用を断られてしまうのではないか?と不安を感じる方もいるようです。
しかし実際には、介護サービスを利用することが目的であるため、利用者の宗教や宗派は関係ないとされています。
ただし信仰心が強い利用者の場合、宗教や宗派の違いでストレスを感じることもあるため、その場合は避けたほうがよいといえるでしょう。