介護事業者の中には、施設を利用する高齢者が、遊びや学びなどの楽しみや生きがいを感じやすいように、施設内だけで使用できる仮想通貨のような施設内通貨を導入していることもあります。
施設によって施設内通貨の名称や単位、増やす方法や使用方法などは異なりますが、自立支援・生活リハビリなど機能訓練的な要素と必要とするサービスを本人が選ぶことができるといった選択性を重視することを目的としているようです。
施設で生活する高齢者の方も、毎日ただ施設内で何もせず過ごすのではなく、好きなことをしたり食べたりしたいと考えているものでしょう。
そのような希望も、通貨を通じ実現させることが可能という仕組みです。
施設内で決められたことだけでなく、好きなことができるようになり、同じ趣味を持つ友人と知り合ったり人間関係が広がったりなど、様々なメリットがあるとされています。
介護事業所によって異なるものの、施設内通貨は増やすこと・貯めること・使うことが可能となっていることが多いようです。
リハビリや手伝い、レクレーションに入賞すれば、その報酬として施設内通貨を受け取ることができ、施設内でレジャーや嗜好品に使用できるという仕組みになっています。
・増やす方法
施設の草とり
洗濯もの干し
イベントやレクレーションへの傘下
手芸による作品づくり
レクレーションで表彰される
・貯める
タンス預金
ベリー銀行への預金
・使う
散髪
野球観戦
施設内での麻雀やパチンコ
映画鑑賞
施設内通貨を導入することで、できることは自分でやろうとする利用者が増えるなど、リハビリに対して意欲を持って取り組む傾向も高くなったようです。
そして施設内通貨の枚数を数えることで手の機能訓練となり、計算すれば頭の体操にもなります。
報酬が刺激となり脳が活性化され、貯めた通貨で孫にプレゼントしたいといった意欲を持つ利用者もいるようです。
施設内での様々な行動は、無理にやらなければならないと感じるよりも、自分からやりたいと思ったほうが積極的に身体も動きます。
そして効果も期待できるようになるため、楽しみながらできることを施設内通貨とうまく組み合わせることはよいアイデアといえるでしょう。