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介護業界は成長市場?介護事業者が注目したい今後の動きとは

2021.12.03
分類:その他

厚生労働省が公表している介護保険総費用を確認すると、介護保険制度がスタートした2000年度は3.6兆円だったものが、2025年度には約21兆円にまで増えると試算されています。

そして高齢者介護製品・サービス市場は、2020年から2027年まで3.90%の年平均成長率で成長していくことが予想されており、今後さらに期待が高まるところです。

介護市場が成長していく理由

高齢者介護製品とサービスは高齢者介護と呼ばれており、高齢者のニーズや要件を満たすことができるように、段階ごとで設計されています。介護を専門とし、生活支援だけでなくデイケア・在宅ケア・病院ケアなど様々なものを網羅していることが特徴です。

腎不全・糖尿病・関節炎・代謝変化といった併存疾患を抱える方は、今後高齢者の増加により増えるとも考えられるでしょう。そもそも高齢者は感染症にかかりやすいため、新型コロナウイルス感染症のリスクも高めです。

介護市場の成長は高齢者人口増加だけでなく、上記のような併存疾患者が増えること、高齢者人口の免疫系活動の低下が関係していると考えられています。

 

介護保険制度の動向により成長も左右される?

日本で主に提供される介護サービスは介護保険によるものですが、2018年の介護保険制度改正では、サービス利用料の自己負担割合は利用者の所得に応じ3割まで拡大されました。

現役並み所得者だけ自己負担割合が増えましたが、家計の負担はやはり重くなったといえます。

他にも療養病床に代わって介護医療院が創設され、医療機能と生活施設の機能とを兼ね備えた施設として運営されていますが、療養病床から介護医療院への切り替えは20243月末まで経過期間が設けられています。

加えて要介護・要支援認定の有効期間は従来の24か月から36か月に延長され、事業者ごとで判断されていた福祉用具のレンタル価格も平準化と上限価格設定など調整されたことも記憶に新しいところです。

そして2021年、地域包括支援センターの機能強化に社会福祉連携推進法人の新設など、ハード部分が主に整備されました。

人手不足が深刻化する介護現場における介護スタッフの業務負担を軽減するため、ICT(情報通信技術)化を推進し、新型コロナウイルス感染症への対応に向けた補助金の引き上げなどもその例です。

日本では介護保険制度により介護事業者の運営やコスト負担が変動するため、介護スタッフの働き方や業務内容にも影響していきます。

成長市場といえる業界ではあるものの、介護保険制度改正には常に注意を払っておくべきといえるでしょう。